岸内閣の末期のことである。岸は河野一郎を評価していた。「稚気愛すべき男」と言っていた。国民的な人気も高い政治家であった。
石破は河野に較べるとスケールは小さいが似たところがある。
半世紀も経つと東京の風景も一変している。新橋駅で国電を下りて虎ノ門に向かって歩くと最初の交差点の角に日石ビルが立っていた。右折して間もなく左手にNHKの旧社屋があった。さらに日比谷に向かって歩くと左手に共同通信社と時事通信社が同居した市政会館ビル、その右手正面には東京新聞社がある。私たちは歩いて国会や首相官邸に通ったものだ。