松本徹『風雅の帝 光厳』(鳥影社) 宮崎正弘

稀にしか味わうことの出来ない寂寥と哀切。読了ののち、一言の感想をいえば、歴史の寂しさ、絶望、生きとし生けるものの冷酷さと残酷さである。そして全編に漂う容易ならざる虚無。いやこれこそが日本人の情感なのか。

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