日本は、公共施設や駅などには水道や冷水器の飲み水、レストランに入ればお冷やが出る、かなりサービスに恵まれている。世界各地ではどうなのか。水道の水がそのまま飲める国は驚くほど少ない。
沖縄県の 西表島。水道もあるが、川水や農業用水の方が甘くて、うまいとか。 大分県湯布院の旅館で「湯布院の水はおいしいですよ」と仲居さんがポットにいっぱいおいしい水を用意してくれたという。地元の水をそのまま客に勧めることができるなんて日本の誇りだ。
中国四川省の旅。ホテルで1日目の夜中にものすごい雷とともに激しい雨が朝まで続きホテルの水道水はもう通常では想像できない泥水。
口もゆすぐどころか顔を洗うのもためらってしまうといった具合。本当に大変な所だ。
以前、中国語教室で、日本に留学中の中国人学生が日本に来て感動したことは、「どこへ行ってもトイレがきれいなことと、水道の水がそのまま飲めること」と言っていた。日本人として誇らしく思えることた。
中国のシンセン市では水道水は飲めません。間違って飲んでしまえば下痢になる。私は数年前、上海で間違い、結局、血糖値が極端に降下し死の寸前まで行った。
<深セン市:2015年から水道水が飲用可能に
広東省深セン市が、水道水の飲用水化計画を進める。2015年にはすべての同市市民が水道水から直接飲むことが可能になるという。実現すれば、中国で初めてとなる>ポータルサイト「中国情報局」(略称:サーチナ)6月7日付。
これが偽らざる人民中国の実態。行過ぎた経済成長で河川をお構い無しに汚すから水の再利用など考えられない。元々硬水(カルシウムおよびマグネシウムを多く含む水)しかないから湯冷ましを飲むしかない。ミネラルウォーターのビンには水道水を詰めたインチキも平気でやるのが中国人。
スイスでは、アルプスの雪解け水を水道水として使用しているが石灰分が多く含まれているので、蛇口から出てくるのは白く濁った水。料理や洗濯などにしか使えない。
飲み水としてはミネラルウォーターを買っているという家庭が多い。レストランでも、ほとんどの人がミネラルウォーターを注文している。ミネラルウォーターには炭酸ガス入りのものと、炭酸ガスの入っていないものの2種類がある。
多くのヨーロッパ人はガス入りを頼む。スイスに長く住んでいる日本人でもガス入りのミネラルウォーターがどうしても飲めない人もいるし、癖になってしまい、ガスなしのミネラルウォーターでは物足りなさを感じてしまう人もいる。
ヨーロッパ各国での外交交渉の卓上には必ず飲み水のペットボトルが置かれている。験しに飲んだら酸っぱくて止めた。炭酸ガス入りと印刷されていた。
イギリスのレストランでは、水道水は無料、ミネラルウォーターは有料。一般家庭では水道水は飲めるし、調理にも使うが、硬水のため、味噌汁や煮物などを作っても日本で作ったものと同じ味は出ない。
水の質が硬水だからだ。シャンプーや石鹸の成分をチェックして選ばないと、髪はパサパサになり、身体中の肌はかさかさになってしまい、かゆみさえ覚える。
洗濯用の洗剤も粉の場合は、日本では考えられない程の量を必要とする。
日本の普通の河川水,水道水の硬度は2~3度程度であるが,工業上は,硬度20度以上の水を硬水,10~20度のものを通常硬水,10度以下のものを軟水として区別する。(世界大百科事典)
ドイツの水道水はカルシウム分が多いが、日本人でミュンヘンに住んでおられる読者からの連絡によれば「基本的にドイツの水道水に問題は無い」とのこと。
だが別の筋では「飲み水としては炭酸の入ったペットボトル入りの水を飲む。ドイツ人にとって水とは炭酸入りの水だ」という人も居る。
フランスでは生水を飲むと腹を壊すことが多く、注意が必要だ。ワインを飲みすぎて二日酔いで生水をがぶ飲みしたら、お腹を壊す。
記者として駐在した友人の話だと、パリで水道水を花や植木にやったら皆枯れたそうだ。
「飲み水は高価だから安いワインを飲む。アル中の多いのはその所為だと言うよ」とも。硬水だから風呂にも向かない。昔から香水が発達したのは垢はこすり落とすとして、体臭を誤魔化す必要があったためでは無いか。
ルクセンブルクでレストランで注文すると水の値段がビールの値段よりも高いのにビックリする。
イタリア人がビンに入ったミネラル・ウオーターを飲むようになったのはわりと最近のこと。多分70年代に入ってからだ。これは、豊かさを象徴していることのようで、質素な家庭では今でも食事の時はきれいな水差しに水道水を汲んで飲む。
山国のオーストリアは、アルプスの雪解け水などのお蔭で水事情は非常に良く、あちこちで見かける噴水の水もほとんどが飲める。特に、山歩きの途中で飲む湧き水はとてもおいしい。
レストランなどではミネラルウオーターが一般的だが、水道水を注文することも出来る。しかし水道水を有料にする所が少しずつ増えてきている。ミネラルウオーターと同じに、コップ洗い、その他の経費がかかるからだそうだ。
33年前オーストラリアを自転車旅行した人の話。「水筒の水がなくなったので、道路沿いのガソリンスタンドで水を分けてもらいサンキューといって帰ろうとしたら、7セント(当時30円)請求された」。
日本では水は無料だと思っていたから不快な思いをしたそうだ。その当時、水を買って飲むなんて予想だにできなかったとのこと。
ルーマニアからブルガリアのヴァルナ市内中心部の考古学博物館そばの公園に水飲み場があり,自由に水を飲むことができる。試しに飲んでみたら冷たくておいしかった。
タイの水道水は日本人の身体には合わないようだ。昔、パタヤでの国際会議に出席した日本の外交官が猛烈な下痢で倒れた。水は飲まなかったのだが,水道水で氷を作ってウイスキーの水割りを飲んだのだ。
その後「バンコクの水道水は飲めるようになっています」と言われたが、どうも日本人の体質には合わないようだ。しかし、長年タイに暮らしていると身体になじむようだ。
5年あまりタイで暮らしている日本人に聞いたところ、問題なくむしろ、たまに日本に帰国して日本の水道の水を飲むとおなかを壊す、といっていた。
タイでは水は有料。レストラン等では料理のオーダーの前に飲物の水を注文すると、ボトル入りミネラルウォーターと氷入りのコップが来る。この氷は水道水を凍らせた物で不衛生と言う。
今は長時間の断水もなく、豊富な水が出る。水道代は月400円ぐらい。飲み水は20リットルタンクで月1000円ぐらい。
スリランカの都市部では水道をはりめぐらせているので、各家庭では普通に水道水を利用している。ただし「生水」は飲まない。一旦沸騰させたお湯を飲む。
ブラジルのサンパウロでは水道水は飲めない。ミネラルウオーターを購入する。輪切りにしたレモンを入れたコップにガス入りの水を注いで現地の人たちは好んで飲んでいる。
タヒチでは、山のある所では大体水は豊富なのだが、人口の多い首府パペーテの水不足は深刻だ。水が豊富な所という町の名前の由来とは裏腹に、水の流れなくなった川に井戸を掘って取水している。
ただ、水はきれいで安全に飲むことができるので、レストランでは、ミネラルウォーターを注文しなければ水道水が出てくる。
一方、ツアモツ諸島では、公的な上水道は無く、各家庭が、屋根にといタンクを用意して、雨水を貯めて生活用水を確保する。
モロッコのサハラ砂漠。木一本生えていない砂漠の中にカナートと呼ばれる地下水路の井戸がたくさん掘ってある。オアシスの町まで地下で水が通してある。砂嵐に埋もれてしまわないように周りを1mぐらい盛り土がしてあったそうだ。
青々としたオアシスを維持していくための砂漠の民の大きな知恵と努力を感た。サハラ砂漠北端のエルフードという町のホテルの洗面所の鏡にはアラビア語と英語とフランス語で「水は命の源」という言葉が書かれていたそうだ。
日本では、今でこそペットボトル携帯が当たり前のようになっているが、水道の生水をそのまま飲んでも、病気になるというわけではない。それだけでも「いい国」なのだ。
出典 http://www.nhk.or.jp/gr/qa/life/life_06-0601.html
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1949 世界飲み水事情 渡部亮次郎
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