2007-05

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623 623 北信濃の村を訪ねて 一ノ瀬綾

郷里を出てからそろそろ四十年が去ろうとしている。最近の私は人様から出身地を問われると、県名でなく「信州です」と答えてしまう。その方が故郷をより身近に感じられるのもトシのせいだろうか。北信濃とか信濃路という呼び方も好きである。その北信濃の中心...
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622 622 レズビアンを公認した小沢戦略 古沢襄

参院選で民主党は「レズビアン」の尾辻かな子さんを比例代表の候補者として擁立している。フランス大統領選挙でロワイヤル候補が同性婚を容認、サルコジ大統領が反対して同性愛が争点となったが、日本でもセクシャルマイノリティ(性的少数者)の差別・偏見に...
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621 621 藪医者森鴎外 渡部亮次郎

少年は今から48年前、合宿していた夏の野球グラウンドで打順を待っている間に昏倒した。周りは日射病と思ったが、脚気(かっけ)が心臓を冒していたのだった。担ぎ込まれた病院で死んだ。脚気とは今でこそビタミンB1の欠乏症とみな知っているが、少年は ...
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620 620 亡くなった児の「子守唄」(3) 菊池今朝和

この地は、山菜を常食する東北人の血が騒ぐ場所でもあった。春には、セリ、ゼンマイ、ワラビ、ノビルなどを摘み、秋には落下したクリの実を採集し、昨夏亡くなった母にどれだけ喜ばれたことであったか、母の思い出とともに、この地を回向し、追善したい。霧散...
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619 619 酸っぱい桜桃(2) 吉田仁

  太宰忌の桜桃食[は]みて一つ酸き作者は伊沢正江という人。これも句と名前を書きぬいてあるだけで,あとは一切わからないけれども,品種改良が現在ほど進んでいなかった戦前から敗戦後にかけては酸味の強いサクランボが主流だったはずだ。品種改良の目的...
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618 618 こころ優しきこと 古沢襄

”精神”という言葉には抵抗感がある。戦時中を生き抜いてきた世代に共通する感情ではないか。米軍の物量作戦に竹ヤリの精神論で立ち向かったバカらしさが骨身に滲みている。戦後の極端なカネ・モノ主義の台頭は、その反作用だったと思っている。だがカネ・モ...
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617 617 亡くなった児の「子守唄」(2) 菊池今朝和

この地では、色々な生き物を見させて頂いた。厳冬期のメジロの生活のひとコマは羨ましかった。一本の枝先に二羽、三羽とスキンシップよろしく連なり、喧騒逞しく押しあうばかり光景は、冬木立に暖色の花が咲いたようで、愛らしくその仲のよさは羨ましかった。...
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616 616 酸っぱい桜桃(1) 吉田仁

初夏をいろどる果物のひとつにサクランボがある。繊細で傷みやすく,最盛期は六月半ばからのわずかひと月ほど。黄色や紅[くれない]に輝く艶やかさ,形も小さくて愛らしい。口に含んでかるく歯をたてると,果肉がはじけ,甘く,ときにほのかな酸っぱさが口の...
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615 615 精神統一じゃーないの、お粗末 古沢襄

暗いニュースが続く中で”若き横綱”白鵬の誕生は、ホッと救われる思いがする明るいニュースであった。「横綱の地位を汚さぬよう、精神一到を貫き、相撲道に精進いたします」という口上も良かった。もっともこの”精神一到”には、テレビ局のニュースキャスタ...
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614 614 亡くなった児の「子守唄」(1) 菊池今朝和

テレビの人気番組の地口を真似ると、家のリフォームは腕のいい職人へ。家庭のリフォームは、司会の「みのもんた」へと、なるらしい。しからば、壊された自然のリフォームは誰がするの、と、なるのだが、ここは昂ぶりを抑え、亡くなった児を偲ぶように、情緒的...