4431 平野官房長官の言語感覚に虚を衝かれました 阿比留瑠比

昨日のことですが、午後の平野博文官房長官による記者会見を何げなく聞いていて、耳慣れない言葉に注意をひかれました。そんな言語表現があろうとは考えたこともなく、意表を突かれたというか新鮮だったというか。平野氏は、実はとても表現力の豊かな人なのだと改めて居住まいを正したほどです。もともと私は学生時代、友人に「お前は言葉尻をとらえて感動するやつだ」と呆れられていたこともこれあり。
記者会見では、民主党政権の定義する「天下り」とは何かについて、いつものように繰り返し不得要領なやりとりが展開されていました。平野氏は、「官僚OBによるあっせんは天下りにならない」という趣旨のことを述べるなど、相変わらず野党時代と言うことが違うんじゃないか、全くご都合主義なんだからと感じながら聞いていたのですが…。
そこで飛び出したのが、「それはニアリー天下りですよ」との一言で、思わず大ウケしてしまいました。修行が足りません。さらに、「狭義の天下り」ときましたから、随分と論議の的となった慰安婦問題における「狭義の強制連行」を思い出し、平野氏が操る言葉の魔力にすっかり囚われてしまいました。
最近、私の周囲ではなにごとにつけ「恵まれた家庭に育ったものですから」と言い訳するのが流行っているのですが、ユーモアは生活や仕事にゆとりをもたらしますね。とりあえず、官房長官記者会見の関連部分を紹介します。
《【天下り】
記者 政府は天下りの定義で、府省庁のあっせんがある場合は天下りであるという見解を示している。野党時代に民主党はそれ以外も天下りと訴えてきたが、整合性は
平野氏 それ以外とはどんなケースですか
記者 玉突きになって官僚OBが次に入ってくれと呼んだ場合とか、府省のあっせんがないと主張しているが、実態として玉突きになっている…
平野氏 常態的にという意味ですか。それはニアリー(nearly)天下りですよ、それは。
記者 どういう風にそうか
平野氏 そこはしっかり、そこのところはグレーみたいな表現になっていますけれども、実態的に常態的にそれが繰り返されるということは、事実上、それは天下りとみなきゃいかんのではないでしょうか。それを止める方法を考えておかないといけないと思います。
そうするとどういうことになるかというと、やっぱり、独法についても、組織自身をしっかりと改革をすると。廃止をするということを含めたトップ改革にもかかわってくるわけであります。そういう意味では、行政刷新の中に、そういう役割を担っていくところがあって、トータル全体としていわゆる天下りというものはなくなっていくということであります。狭義の意味での天下りは、この間の議運委員会の中で、お示ししたのが天下りあっせんということだが、隠れて、もしやっているとしたら、私はそれは廃止をする方向に検討したいと思います。鳩山政権になってからは、その部分はないと思っております。
記者(産経) 先週の議運理事会で、各府省庁のあっせんの天下りの定義について、府省庁の定義には政務三役と官僚OBは入らないと言ったが
平野氏 もちろん、そこの定義でいえば入らない。
記者 OBは定義には入らないと。
平野氏 入らない。今言っている天下りの概念で言うと、あっせんは府省庁の職員があっせんをする。こういうところについては、私は天下りあっせんという理屈を入れたが、政務三役とこういうことですよね。
記者 OBの方だが
平野氏 OBは当然その概念に入りません。入らない。ただ、常態的にやっているとしたら、「もどき」でるから、そんなものはなくす。当然そういうことはあっちゃならん。もう一つは、政務三役があっせんした場合は、政務三役はそういうなかに入らないのか、入るのかといった時に、私は入らない。しかしながら、当然政務三役は、天下りあっせん根絶ということで閣議で縛ってありますから。当然、そういうことの行為にならないよう禁止しているわけですから。改めて内閣としては、閣議で天下り根絶を言っているわけですから、当然閣僚政府としての意思決定ですから、当然、私はそういうところには定義には入っていませんが、別のところで縛りが効いているということですよ。言いたいことは。
記者 昨日、参院の西岡議運委員長(民主党)が記者会見で定義について不十分だと言っているが、この定義見直しを考えるところはあるか。官僚OBが含まれていないとか
平野氏 今のところはございません。実態的にそのことによって、天下りがされているということであれば、そのことについて対応する仕組みを考えないといかんと。実態的にも天下りは根絶されているんだという仕組みにしないといかんと思ってますが、定義自身は公務員法にもきちっと書いておりますから、そういうルールに従って、私は定義を議運の委員会の場でも申し上げたところでございます。》
平野氏はきょう午前の記者会見でも、すでに1億2000万円分引き出したとされる官房機密費について「引き出しておりますが、使っているとは私はまだ、申し上げておりません。適切に対応しているという言い方でございます」と精緻かつ玄妙な言い回しでわれわれを煙に巻きました。なんだかなあ。
杜父魚ブログの全記事・索引リスト

コメント

タイトルとURLをコピーしました