ロシアの軍制は国防省の下に八軍管区の制度をとっている。ソ連時代にはソ連地上軍は42戦車師団、61自動車化狙撃師団だったが、その最新装備はウラル以西のヨーロッパ方面に重点的に配備されているといわれた。
たとえばサンクトペテルブルグに司令部を置く「レニングラード軍管区」は、1コ空挺師団、2コ独立狙撃兵旅団、2コ砲兵旅団、1コ地対地ミサイル旅団、1コスペツナズ旅団、4コ地対空ミサイル旅団、1コ対戦車連隊、1コ攻撃ヘリ連隊、1コ強襲輸送ヘリ連隊の四万九〇〇〇。モスクワに司令部を置く「モスクワ軍管区」は一〇万五〇〇〇の地上軍を擁している。
ウラル以東で日本を睨んでいるのはハバロフスクに司令部がある「極東軍管区」なのだが、10コ狙撃兵師団(2コ教導師団)、2コ機関銃/砲兵師団、1コ砲兵師団、9コ砲兵旅団、1コ狙撃兵旅団、1コ空挺旅団、3コ地対地ミサイル旅団、5コ地対空ミサイル旅団、1コスペツナズ旅団、1コ対戦車旅団、2コ攻撃ヘリ連隊、2コ強襲輸送ヘリ旅団を擁している。
北方領土の択捉、国後両島にロシア軍が配備しているのは「第18機関銃・砲兵師団」。装備は旧式だといわれてきた。
さきごろウラジーミル・ポポフキン防衛次官が南クリルのロシア軍に対し て、新たな攻撃兵器および情報機器が与えられると声明を発表していたが、11日にマカロフ参謀総長が年内に「第18機関銃・砲兵師団」の編成を変更し、新しい技術および兵器を強化すると述べている。
突然の択捉、国後両島におけるロシア軍の軍事力強化の背景は何なのだろうか。ロシアのメデイアは「菅内閣になって南クリル4島の領有権を主張している日本は最近、ロシア政府に対して過激な声明を行っている。そのような状況の中、南クリルを巡る緊張が高まっている」と軍事力強化を正当化している。
さらに「北方諸島は、第二次世界大戦の結果、ソビエト連邦に編入された後、ロシアが受け継いでおり、それは国際法によっても確認されている 」と領有権を主張しだした。(「THE VOICE OF RUSSIA」の「南クリル諸島の防衛 ロシア軍兵器に新たな予算」記事)
http://japanese.ruvr.ru/2011/02/24/45928367.html
日本側は北方領土の返還を一貫してソ連時代からロシアに要求していたから、菅内閣になって特段と領有権を主張しだしたわけではない。それを”ロシア政府に対して過激な声明を行っている”と因縁をつけたうえ、本格的に択捉、国後両島におけるロシア軍の軍事力強化に乗り出した。
やはり尖閣諸島の一件以来、日本の弱腰外交をみてとったロシアが対日外交で強気に転じたとみるべきであろう。中途半端な対ロ外交は百害あって一利ない。相手に軍事力強化をやらせたのは、何もしない日本外交の失態だといえる。
<[モスクワ 13日 ロイター] ロシアのイワノフ副首相(軍産複合体・国防担当)は、連邦政府の閣僚級メンバーを率いて北方領土を訪問する方針を明らかにした。インタファクス通信が13日報じた。
報道によると、イワノフ副首相は連邦政府によるクリール諸島(日本の北方領土を含む千島列島)の開発プログラム策定チームの1人だと明らかにした上で、「プログラムの実施状況について、他の閣僚メンバーと共に現地で調査したい」と語った。
日本の外務省当局者は同日、匿名を条件に「ロシア政府当局者による北方領土訪問は受け入れられない」と述べた。
ロシアのメドベージェフ大統領は昨年11月、同国の大統領として初めて北方領土を訪問し、日本の反発を招いていた。(ロイター)>
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