<日本取引所グループ傘下の東京証券取引所と大阪証券取引所は、16日、株式市場を統合し、上場する企業の数で世界第3位の市場として取り引きが始まりました。
東京証券取引所と大阪証券取引所の株式市場が統合され初めてとなる16日の取り引きは、午前9時から東証で清田瞭社長ら関係者が見守るなかで始まりました。
今回の統合では、東証側に大証の1部と2部、それに新興市場の「ジャスダック」に単独で上場していた1100社が移行され、合わせて3400社余りの株式が売買されています。
午前中の取り引きは、トラブルなどはなく、順調に行われたということです。
これまで大証に単独で上場していた銘柄の中には、今回の統合をきっかけに改めて注目され、取り引きが活発になっているものも見られるということです。
今回の統合で、東証は国内の取り引きの90%以上を占める株式市場となり、上場する企業の数は、アメリカの新興市場の「ナスダック」やロンドン市場を抜いて世界で第3位となりました。
一方、大証は、16日からデリバティブと呼ばれる金融商品を専門に扱う取引所となりました。
日本取引所グループは、システムの一本化で年間およそ70億円のコストを削減し、その分を売買システムの増強などに振り向けるとしており、今後は、統合のメリットを投資家や上場企業の利便性の向上につなげていけるかが課題となります。
■勝ち残る市場に
東京証券取引所と大阪証券取引所が株式市場を統合し取り引きを始めたことについて、東証の清田瞭社長は、午前9時の取引開始後報道陣の取材に応じ「システムは何が起きるか分からず緊張していたが、無事に取り引きが始まって心からほっとしている。宿命的なライバルとして130年以上競い合ってきた東西の市場が統合して世界3位の規模となった。国際的な市場間競争は激しくなっているが、海外の市場との連携も模索しながら、世界で勝ち残れる市場として発展していきたい」と話しました。
■統合のメリットは
東証と大証の株式市場の統合で取り引きが活性化すれば、投資家にとっては売買がしやすくなり、上場企業にとっては資金調達がしやすくなるメリットがありそうです。
また関係するビジネスのコスト削減にもつながります。
これまで東証と大証に重複して上場していた企業は、2つの取引所にそれぞれ会費を納めていましたが、16日からは東証だけで済むことになります。
証券各社も、これまでは東証と大証の双方にシステムをつないで売買を取り次いでいましたが、市場が一本化されたことで、システムにかかる費用を抑えることができます。
さらに、証券会社がシステムにかかる費用を減らすことができれば、その分、投資家から集めている売買手数料を安くできる可能性もあり、今後、手数料の値下げにつながるかどうか注目されます。
■海外取引所との競争激化
世界の取引所の間では、投資マネーの獲得や上場企業の誘致を巡る競争に勝ち抜くために、経営の規模の拡大を目指す再編成の動きが激しくなっています。
まず、去年12月、アメリカの新興の取引所の「インターコンチネンタル取引所」が上場企業の時価総額で世界最大のニューヨーク証券取引所を運営する「NYSEユーロネクスト」を買収すると発表。
株式に加え、デリバティブと呼ばれる金融商品の取り引きにも強みを持つ、巨大な取引所グループが誕生することになりました。
また、アジアでは去年9月、シンガポールとマレーシアの取引所がシステムを接続。
双方で上場している企業の株式の売買ができるようにしました。
将来的にはASEAN=東南アジア諸国連合の6か国の取引所のシステムを接続し、それぞれに上場する企業の株式をどの取引所でも売買できるようにする構想です。
世界の取引所が規模の拡大を進めるなかで、東証と大証も株式市場の統合で規模の拡大と効率化を図り、海外の取引所との競争を勝ち抜きたいというねらいがあります。
■株式市場統合の経緯
東証と大証が経営統合を発表したのはおととし11月。
長年、ライバル関係にあった東証と大証の経営統合を後押ししたのは、世界の株式市場のなかで日本市場が地盤沈下していることへの危機感でした。
大証の米田道生社長は「この10年、あまりに日本の株式市場の国際的な地位は大きく低下した。新しい取引所をつくることが国際競争力の強化にとって最善の道だ」バブル経済に日本中が沸いた80年代。
東証は売買代金と上場する企業の時価総額で世界トップに君臨していました。しかし、バブル崩壊後は取り引きが長期にわたって低迷。
欧米だけでなく、アジアの新興国市場も急速に台頭し、中国・上海の取引所に一時、売買代金で追い抜かれるなど、東京市場から世界の投資マネーが離れていきました。
海外の取引所に競り勝って上場企業や投資家を呼び寄せる。その起爆剤として東証と大証が発足させたのが「日本取引所グループ」です。東証と大証は16日、株式市場を統合。名実ともに一つの市場としてスタートを切りました。(NHK)>
杜父魚文庫
13329 東証と大証が株式市場統合 世界第3位に 古澤襄
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