<[サンクトペテルブルク(ロシア) 5日 ロイター]5日から始まる20カ国・地域(G20)首脳会議では、シリア問題をめぐる米国とロシアの対立が影を落とすとみられている。
会合では成長や貿易、銀行の透明性、税逃れ問題が主要議題となる。新興国市場の混乱のほか、米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和縮小をめぐる見解の相違が明らかになる見通し。
ただそれ以上に、シリアへの軍事介入をめぐるオバマ大統領とプーチン大統領の意見の隔たりは最も顕著となっている。
オバマ大統領は4日、訪問先のスウェーデンで、8月21日の化学兵器攻撃に対する軍事行動への支持を訴え「私の信頼性が危機にひんしているのではない。国際社会の信頼性が危機にさらされている」と主張した。「こうした国際規範が重要と考える以上、米国と議会の信頼性が問われることになる」と述べた。
一方、プーチン大統領は、米議会が国連安全保障理事会の承認がないまま軍事介入を承認すれば「侵略行為」となると警告。ケリー米国務長官について、アルカイダのシリア情勢への関与について議会でうそをついたと批判した。
これにより、プーチン大統領の譲歩の可能性は小さくなった。同大統領はこれより先、AP通信とロシアの第1チャンネルとのインタビューで、アサド政権が化学兵器を使用したことを示す明確な証拠が提示されれば、シリアに対する軍事介入を支持する可能性を排除しないと述べていた。
首脳会議と同時に、国連安保理常任理事国を含めたG20主要国の外相はシリア問題について協議する見通し。
ロシアにとってシリアは主要な武器輸出先かつ友好国であり、プーチン大統領は軍事介入回避で外交上の勝利をおさめたいところだ。
<崩れた協調関係>
G20は2009年の金融危機後の先進国と新興国の結束で大きな役割を果たした。ただ今は当時の協調関係はみられない。
一定の合意が見込まれるのは課税回避問題。金融デリバティブ規制の指針や、「シャドー・バンキング(影の銀行)」への対応も話し合われる予定だ。
ただ、米国の積極的な動きとは対照的に、欧州は緊縮策の緩和により慎重で、先進国間のコンセンサス形成は難しい。
一方BRICSの新興国も、世界経済における米ドルの役割をめぐって意見が異なっている。インドは先週BRICSメンバーに協調為替介入を呼び掛けたが、結束の兆候はみられない。
ロイターが入手した報告書によると、IMFは成長活性化とリスク管理向上に向け、世界的な協調強化の必要性を訴える見通しだ。報告書は、米国を中心とした先進国は世界の経済成長を押し上げる一方、米緩和策縮小が新興国の景気減速リスクになるとの見方を示している。
オバマ大統領は、人権活動家との会談も予定しており、この中にはプーチン大統領が署名した同性愛規制法に抗議デモを行った団体のメンバーも含まれている。同法は西側から批判を呼び、米ロ関係悪化のきっかけの一つとも考えられている。(ロイター)>
杜父魚文庫
13857 G20首脳会議、影落とすシリアめぐる米ロの対立 古澤襄
未分類
コメント