16369 オバマ マリキ政権のスンニ派対策に不満か    古澤襄

米ウォール・ストリート・ジャーナルがベイルートからイランの安全保障関係筋情報として「イランの革命防衛隊・クッズ旅団がイラクに派兵」と伝えたのは6月12日。
一日遅れて米CNNはイラクの治安当局者筋情報として「イラク治安部隊を支援するためイランの革命防衛隊の隊員約500人が派兵された」と認めた。
しかしイラン外務省は、イラクでの戦闘への関与を否定している。イランがイラク派兵を公式に認めれば、イスラム教シーア派連合の派兵と受け止められ、反発するイスラム教スンニ派国とくにサウジアラビアがアルカイダ系武装勢力ISILに武器・弾薬の支援をさらに強化するおそれがある。
戦況の拡大を怖れるオバマ政権もイランの参戦には沈黙を守っている。腰が定まらないオバマ政権はイラクのマリキ政権が空爆を実施して、首都バクダッド陥落を防ぐことに期待を繋いでいるのだろうか。しかし状況は決して楽観できない。
13日、オバマは「イラク政府支援を数日間検討、米軍再派遣はない」と述べた。同日、ロンドンでケリー米国務長官は「
状況の重大さを考えると、この問題に関する大統領の時宜を得た決断を私は期待している」と述べたのは、明らかにトーンが違う。
オバマは①支援の実施にはイラク政府の一段の関与が条件になる②共に行動することを保証したイラク政府の計画なしに米軍が軍事行動に関与することはない・・とも述べた。
ケリーもまた、イラクのマリキ首相はこれまで以上に国内の宗派間の対立の解消に努める必要があるとの認識を示している。米政府はこのままズルズルとイラクの戦闘に巻き込まれることを怖れているのだろうか。
だから数日間は情勢を見守ることに後退した可能性がある。ここ数日間に首都バクダッドが陥落する事態にはないと判断した
のかもしれない。
軍事介入よりも全権を掌握しているマリキ政権が、スンニ派との対立解消にほとんど策を講じていないことから、国内の宗派間の対立の解消に努めるよう外交圧力をかけるつもりの様だ。
いまになって悠長なイラク政策だが、シリアで実戦経験を積んだISILの進撃テンポは早い。装備もイラク治安部隊を上回っている。
■イラク政府支援を数日間検討、米軍再派遣はない=オバマ大統領
[ワシントン 13日 ロイター]オバマ米大統領は13日、イラクで過激派武装組織が勢力を拡大していることについて、同国政府に対しどのような支援を行うか数日間検討する必要があるとの認識を示した。ただ米軍を再びイラクに派遣することはないと言明した。
大統領はホワイトハウスで記者団に対し、支援の実施にはイラク政府の一段の関与が条件になると強調。「共に行動することを保証したイラク政府の計画なしに米軍が軍事行動に関与することはない」と述べた。
米国の行動が「的を絞った的確で効果的」なものになるようイラク情勢について検討したいとし、議会とも協議する考えを示した。
イスラム教スンニ派の過激派武装組織「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」が勢力を拡大しているが、オバマ大統領はこれまでのところイラクの原油供給に大きな混乱はないと指摘した。
ただ武装組織が石油関連施設を支配下に置けば、中東の他の産油国が「不足分を補う」必要に迫られると述べた。
その上で「この点についても今週検討する」と語った。(ロイター)>
■オバマ大統領が迅速に決断、イラク情勢で米国務長官
<[ロンドン 13日 ロイター]英国訪問中のケリー米国務長官は13日、イスラム教スンニ派の過激派武装組織がイラクで勢力を拡大していることに関し、オバマ大統領が迅速にどのような措置を取るか決断する見込みだと表明した。
ケリー氏は、ヘイグ英外相との共同記者会見で、「状況の重大さを考えると、この問題に関する大統領の時宜を得た決断を私は期待している」と述べた。
「この問題に対処するため、米国は迅速かつ効率的に同盟国とともに行動することを決めると私は確信している」と付け加えた。
オバマ大統領は前日、スンニ派の過激派武装組織「イラク・レバントのイスラム国(ISIL)」のイラク北部での勢力拡大をめぐり、イラク中央政府への支援として「あらゆる選択肢」を検討していると明らかにしている。
ケリー氏はまた、イラクのマリキ首相はこれまで以上に国内の宗派間の対立の解消に努める必要があるとの認識を示した。
イラクでは2011年に米軍が撤退し、イスラム教シーア派中心のマリキ政権が全権を掌握したが、スンニ派との対立解消にほとんど策を講じていないと西側諸国は以前から批判している。(ロイター)>
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