1052 我が国に関係が深いミャンマー 丸山公紀

ミャンマーではガソリンの値上げを事の発端にして、市民と僧侶が反政府デモを連日、行った結果、ついに軍事政権が住民、僧侶に対して、武力鎮圧に乗り出した。さらにその模様を取材していた映像ジャーナリストの長井さんが銃撃され、死亡し、日本政府も対岸の火として事態を見守るだけでなくなった。
高村外相は、国連総会の折にミャンマー外相に対して、強い抗議を行った。それにしてもアウン・サン・スー・チーさんが率いる民主化運動を軍事的に弾圧して18年間、軍事政権が維持されていること自体が異常である。そしてそれが可能なのは中国が軍事、経済に亙って援助しているからである。
早速、英米は経済制裁をする方針であり、中露は内政干渉すべきでないという姿勢を示しているが、わが国の立場は非常に微妙である。
歴史的にはミャンマー国軍の生みの親はもともと日本軍の南機関であった。ビルマ建国の父のアウン・サン将軍や社会主義体制を敷いたネ・ウィン将軍もビルマ独立義勇軍として、英国の植民地からの桎梏から脱却するため、国軍をつくることを志し、日本が支配していた海南島などへ行って、軍事教練を受けて帰国、敗戦の色が濃かった日本軍から叛旗を翻し、ついには英国の力も駆逐することに成功し、ビルマの独立を果したのであった。その意味では、今もミャンマー国軍と南機関の系譜を継ぐ人の関係は深いものがある。
また竹山道雄が書いた「ビルマの竪琴」で、水島上等兵が日本に帰らず、多くの戦没兵を弔うためにビルマで僧となり、戦没者の御霊を弔うことを決意するという話も少年時代、必死に読みながらビルマに対する親近感を持ったものだ。
だから、簡単に軍事政権が民主化運動を制圧していることは悪いことであり、時代に逆行しているという紋切り口調では今回の事態を判断することはできない。また我が国は、ミャンマーに対して欧米とも中露とも違った歴史的な経緯があるからこそ、小生は今回の場合の外務省の対応に注目している。

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