4362 北警備艇50発に韓国高速艇は200発 古沢襄

黄海で海戦となった北朝鮮警備艇と韓国海軍高速艇の砲戦は、黒田勝弘ソウル支局長が指摘した「断固対応」であった。韓国の中央日報は海戦の模様を詳しく報道している。これまで韓国海軍は正面衝突を避け、「事なかれ主義」で対応してきたから、北朝鮮側も同じと見ていたのではないか。
予想外の反撃で面子をつぶされた北朝鮮側が黙って引き下がるとは思えない。まさに黄海の波高しになりそうである。
<10日午前10時33分、海軍2艦隊司令部指揮統制室。要員たちは普段と同じく海軍戦術指揮搭載装置(KNTDS)のモニターを見詰めていた。西海(ソヘ・黄海)ペンリョン島の北側、長山串の南、月乃島を出発した北朝鮮上下2級警備艇1隻が北方境界線(NLL)に近付くのが捕らえられた。北朝鮮警備艇の動きはペンリョン島に設置されたレーダーが送った。
11時22分。北朝鮮警備艇がNLLにずっと近付くと直ちに警告放送をした。国際商船通信網を通じてだった。「北側は韓国の海域に過度に近付いた。直ちに北上しなさい」司令部は11時25分まで2度の警告放送をした。そして直ちに高速艇2個編隊4隻を現場に投入した。1個編隊は北朝鮮警備艇が南下する方に、残り1個編隊は後方で守っていた。高速艇1個編隊は2隻で構成されている。
11時27分。北朝鮮警備艇は海軍の警告放送にも、ものともせずNLLを越えた。大青島東11.3キロの海上だった。北朝鮮警備艇は大青島とNLL付近で不法に操業中だった中国漁船を取り締まるという理由で線を越えたものと軍当局は推定している。当時、中国漁船20隻はペンリョン島の北海上に、数隻は大青島の東NLL近くで操業中だった。北朝鮮漁船は壅津半島に近い北側の海上で操業をしていた。
11時28~31分。北朝鮮警備艇がNLLを越えると海軍高速艇は2度以上警告通信をした。「貴船は我々の警告にもかかわらず、侵犯行為を続けて緊張を高めている。航路変更しなければ射撃する。すべての責任は貴船にあることを警告する」北朝鮮警備艇は海軍の4回にわたる警告放送にもかかわらず、韓国側海域に侵犯しを続けた。
11時32分。北朝鮮のNLL侵犯距離が2.2キロにもなった。これにより2艦隊司令部は再び警告放送を送った。「北上しなければ直ちに警告射撃する」という内容だった。11時36分。海軍の警告射撃予告にもかかわらず、北朝鮮警備艇は戻らずに高速艇チャムスリ325号は「警告射撃する」という放送とともに警告射撃をした。チャムスリ325号が射撃した 40ミリ艦砲は北朝鮮警備艇先方1キロの海上に落ちた。
11時37分。北朝鮮警備艇は警告射撃を待っていたかというように韓国の高速艇に向けて照準射撃を実施した。2003年には、北朝鮮警備艇は海軍高速艇から3回も警告射撃を受けたがすべて北に引き返した。しかし今回は違った。
北朝鮮警備艇はすぐ50発を発射した。このうち15発程度がチャムスリ325号に当たった。しかし北朝鮮警備艇が撃った艦砲弾は韓国の将兵たちが勤務する操舵室や艦橋を命中させることはできなかった。左艦橋と操舵室間の外壁に当たった。
北側が照準射撃すると韓国軍高速艇2隻も直ちに対応し、撃破射撃を実施した。高速艇2隻に装着された40ミリ艦砲と20ミリ機関砲弾200発がただちに発射された。韓国軍高速艇の撃った砲弾は北朝鮮警備艇に命中し、甲板と船体が大きく破損し、多数の死傷者が発生したという。北朝鮮警備艇は韓国軍の対応射撃に被害を受けると直ちに北に逃走した。南北間交戦は2分あまりで終わった。海軍高速艇も北朝鮮海岸に配置された海岸砲の報復を懸念して大青島の方に引き返した。
◆警告射撃=韓国軍艦艇が敵の艦艇に対して警告次元で行う射撃。海軍は合同参謀本部が決めた交戦規則によって警告放送をした後にもかかわらず、敵の艦艇が韓国側の海域から出ない場合に警告射撃を実施する。警告射撃をする時は「警告射撃を実施する」と伝えた後で射撃することになっている。
◆照準射撃=警告射撃に続き実際戦闘で実施する射撃だ。敵艦艇を撃沈させるための射撃なので海軍は撃破射撃と呼ぶ。(中央日報)>
杜父魚ブログの全記事・索引リスト

コメント

タイトルとURLをコピーしました