4389 オバマ訪中でも米中二極G2ではない 古森義久

オバマ大統領のアジア訪問で最も注視されるのは、やはり中国訪問です。オバマ大統領は中国では日本で過ごしたよりも3倍も長い時間、滞在します。
米中関係の新たな展開に一段と注目が集まるところです。オバマ大統領はこの中国訪問でなにを得ようとしているのか。米中両国が二国だけで世界を仕切るという、いわゆるG2体制は本当に現実となるのか。
こんな点をワシントンの中国問題専門家のロバート・サター氏に聞くと、「G2論というのは非現実的で愚かな議論だ」という答えが返ってきました。その記事を紹介します。
【ワシントン=古森義久】米国の歴代政権で中国政策を担当してきたロバート・サター氏(ジョージタウン大教授)は11日、産経新聞との会見でオバマ大統領の中国訪問の意味について語った。
サター氏は、米中両国が実利的な姿勢で一定分野での協力を拡大することが期待されると述べる一方、米側の一部にある米中二極のG2論は非現実的だとして排した。
オバマ大統領のアジア歴訪では、訪問国中最長の4日を過ごす中国が中心となるが、サター氏は同大統領の初訪中について「米中両国がいずれも実利的な姿勢をとり、グローバルな経済や金融、気候変動、北朝鮮の核問題などの分野で段階的な協力の拡大と前進を図ることが目的であり、驚くような大きな展開はないだろう」との予測を語った。
同氏はさらに米中首脳が「相互に丁重な態度を示し、対テロ闘争、アフガニスタン、イランなどという課題についても、協力できる部分での協力強化をうたうだろう」と述べる一方、中国の人権抑圧やチベット問題、軍拡など米中間の食い違いが明白な課題は表面に出すことを避けるだろうとの見通しを明らかにした。
サター氏は「米中間の協力が可能な分野において段階的かつ小さな協力拡大が得られれば、オバマ大統領の訪中は成功とみなされる」との見解も示した。
米国側の一部では、オバマ大統領の今回の訪中が日本や韓国訪問に比べ長期であり、最重視するようにみえる点から米中二極のG2論が語られている。
しかしサター氏は「G2論というのは愚かだ」として、
(1)中国は世界銀行から20億ドル、アジア開発銀行から13億ドルの有償援助を受け、国連分担金も全体の3%ほどという開発途上国としての側面を有しており、米国と互角の立場のG2として国際問題の解決の主役になる地位にない
(2)中国は米国にとって同盟国でも友好国でもなく、米国の世界での指導権やアジア地域での指導権に反対する面が多くある
(3)中国は共産党の一党独裁の統治であり、民主主義を信奉する米国とは基本的な価値観が異なる-などを理由として挙げた。
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【プロフィル】ロバート・サター
1970年代から米国の議会調査局、国務省、中央情報局(CIA)、上院外交委員会などで中国と東アジアの専門官として活動し、クリントン元政権、ブッシュ前政権の東アジア担当国家情報官を務めた。
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