韓国国会で北朝鮮軍の砲撃に応戦した韓国側の対応が手ぬるいとの批判も相次いだ。朝鮮日報や中央日報などの韓国紙が伝えている。
論点は「少なくとも北朝鮮による2回目の砲撃時に戦闘機で報復すべきだった」「戦闘機や野砲で北朝鮮側の陣地を火の海にしろ」「戦闘拡大を自制しろという大統領府(青瓦台)の指示に、国民は怒っている」といったもの。
批判された金泰栄(キム・テヨン)国防部長官は「延坪島、ペンニョン島に配備された戦力は、過去の上陸リスクを考えたものだ。(現在は)砲撃戦が深刻な問題となっており、戦力補強を再検討している」と弁明に追われた。
西海五島ではこれまで、戦力を削減する方向で「国防改革」が進められてきている。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権以降、西海地域を担当する海兵隊の戦力を削減するプランが推進され、海兵隊の兵力を2020年までに3200人削減し、第6旅団を連隊級に縮小することになっている。
海兵隊関係者は「国防部で海兵隊の削減計画を白紙化することが検討されている」と述べ、さらに北朝鮮の砲撃(170余発)の半分にもならない対応射撃をし、軍交戦規則上の「比例性の原則」を破ったという点も論議を呼んでいる。
ハンナラ党の劉承ミン(ユ・スンミン)議員は国防委で、「普段から長官と合同参謀議長は、北が射撃をすれば、交戦規則に基づいて2倍ないし3倍の射撃すると話していたが、今回は2分の1もしなかった」と指摘した。
これに対しても金国防部長官は「当時は部隊内に落ちたものだけを確認し、民家に落ちた砲弾は確認できず、(指揮官が)2倍で射撃しろと言って射撃した」と苦しい答弁に終始した。
軍関係者は「北朝鮮地域に雲が多く、確認するのは難しい状況」とし「自走砲から発射した砲弾の威力は北朝鮮が使った砲弾の10倍にのぼり、北朝鮮軍にも相当な被害があるはず」と述べるにとどまった。
<「少なくとも北朝鮮による2回目の砲撃時に戦闘機で報復すべきだった」「戦闘機や野砲で北朝鮮側の陣地を火の海にしろ」「戦闘拡大を自制しろという大統領府(青瓦台)の指示に、国民は怒っている」「政府は口だけで対応態勢が整っていない」
北朝鮮による延坪島砲撃による火花が24日、国会での論戦へと飛び火した。与野党はそろって北朝鮮を非難したが、同時に韓国側の対応が手ぬるいとの批判も相次いだ。韓国政府は、今年3月に韓国海軍の哨戒艦「天安」が爆沈されて以降、「今後は積極的に自衛権を発動する」と公言してきたが、8カ月後に再び起きた北朝鮮の挑発に対する反撃が、K9自走砲による80発の対応射撃だけだったことに怒りの声が上がった。
国防部長官を務めた金章洙(キム・ジャンス)議員(ハンナラ党)は国会国防委員会で、韓国軍の初期対応に関連し、「K-9自走砲の射撃だけだったのは問題がある。戦闘機で北朝鮮の陣地に容赦ない打撃を与えるべきだった」と述べ、金泰栄(キム・テヨン)国防部長官を批判した。
金議員は「『天安』が攻撃された際、韓国が軍事的報復を全く行わなかったため、北朝鮮は再び挑発をしてもよいと考えた。北朝鮮が再び挑発に及んだ場合には、長官ポストを懸け、戦闘機や野砲で北朝鮮の陣地を火の海にすべきだ」と主張した。
ユ・スンミン議員(ハンナラ党)は「韓国軍の戦闘機が発進していながら、北朝鮮の陣地を攻撃できなかったことは、軍の統帥権者(大統領)が『戦闘拡大を自制しろ』と指示したからではないか。交戦が終わり、口だけで制裁を加えると言ってもおおかみ少年にすぎない」と切り捨てた。(朝鮮日報)
北朝鮮砲撃:北の海岸砲1000門、韓国軍の自走砲は12門
北朝鮮砲撃 北朝鮮軍が西海(黄海)の延坪島に無差別砲撃を加えたことで、ペンニョン島など西海五島を守る韓国軍の戦力が北朝鮮側に比べ、相対的に劣るのではないかとの指摘が出ている。軍内外では、北朝鮮がこれまで北方限界線(NLL)を無力化すると絶えず挑発を行い、西海が「韓半島の火薬庫」と化していたにもかかわらず、韓国軍が西海五島の防衛能力を整備していなかったとの批判の声だ。
金泰栄(キム・テヨン)国防部長官は24日、国会国防委員会に出席し、「延坪島、ペンニョン島に配備された戦力は、過去の上陸リスクを考えたものだ。(現在は)砲撃戦が深刻な問題となっており、戦力補強を再検討している」と述べた。金長官の発言は、北朝鮮が西海で新たな挑発方式を導入したにもかかわらず、韓国軍がそれに対応できていないことを告白したものだ。
金長官は今後の対策について、ペンニョン島にあるK-9自走砲を6門から12門に増やし、射程距離が短いために敵の海岸砲、曲射砲に対処できない105ミリ曲射砲を155ミリ自走砲に交換するとした。これについて、韓国軍関係者は「西海防衛はこれまで延坪海戦のような艦船間での戦闘や島、海岸への上陸阻止を重視していた。敵の砲撃については、十分に認識できていなかったようだ」と語った。
西海の戦略的重要性に比べ、韓国軍の戦力が十分に確保できていなかった点も批判の的となった。北朝鮮軍では、西海付近に展開する第4軍団を朝鮮人民軍総参謀長出身の金格植(キム・ギョクシク)氏が率いており、兵力は数万人に上るとされる。これに対し、ペンニョン島、延坪島に駐屯している韓国海兵隊の兵力は約5000人にすぎない。敵が大規模な局地的挑発に及んだ場合、韓国軍が西海五島を防衛できるか疑問が生じる。
それにもかかわらず、西海五島ではこれまで、戦力を削減する方向で「国防改革」が進められてきた。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権以降、西海地域を担当する海兵隊の戦力を削減するプランが推進されてきた。海兵隊の兵力を2020年までに3200人削減し、第6旅団を連隊級に縮小することが柱だ。海兵隊関係者は「国防部で海兵隊の削減計画を白紙化することが検討されている。こういう状況となった以上、西海地域の戦力は削減ではなく、補強する方向でなければならない」と述べた。
西海に配備された兵器も北朝鮮軍と比較すると破壊力の面で不均衡が生じている。北朝鮮軍は長山串、沙串、海州、甕津半島、ケモリなど西海沿岸の主要基地や島に130ミリ大口径砲、170ミリ自走砲など1000門の海岸砲、曲射砲を配備している。
これに対し、韓国軍が保有している兵器のうち、敵陣地を直接攻撃できるのは、K-9自走砲(射程距離40キロ)、155ミリ曲射砲(同30キロ)程度だ。K-9自走砲は延坪島、ペンニョン島に各6門、155ミリ曲射砲はペンニョン島にだけ6門ある。北朝鮮による今回の砲撃に対し、韓国軍は延坪島からK-9自走砲だけで対応射撃を行った。(朝鮮日報)>
韓国軍の対応射撃がなぜ80発だけ?
<北朝鮮の延坪島(ヨンピョンド)攻撃当時、韓国軍が13分後に80余発の対応射撃をした点をめぐり、論議が広がっている。
国防部によると、北朝鮮は23日午後2時34分から46分にかけて、茂島(ムド)・ケモリ海岸砲基地から122ミリ放射砲と76ミリ海岸砲で約150発を奇襲砲撃(1次)したのに続き、30分後の午後3時12分からまた17分間、20余発を追加で発射した。しかし韓国軍は北朝鮮の最初の攻撃時点から13分が過ぎた後、北朝鮮の砲撃が止まってから対応射撃に入った。
国民中心連合の沈大平(シム・デピョン)議員は国防委の会議で、「北朝鮮の奇襲攻撃に対応できる(部隊)展開ができていなかったのではないか」と指摘した。これに対し金泰栄(キム・テヨン)国防部長官は「砲弾が落ちる場合、まず兵力は避難しなければいけない。13分というのは、非常によく訓練された部隊だけが可能な時間」と釈明した。当時、K-9自走砲は砲射撃訓練のため南西側に向いていて、準備に時間がかかるしかなかったということだ。
金長官は「敵の砲弾が落ちた後、すぐに射撃をするのには制限がある。‘スタークラフト’をするような簡単なものではない」と述べた。
北朝鮮の砲撃(170余発)の半分にもならない対応射撃をし、軍交戦規則上の「比例性の原則」を破ったという点も論議を呼んだ。ハンナラ党の劉承ミン(ユ・スンミン)議員は国防委で、「普段から長官と合同参謀議長は、北が射撃をすれば、交戦規則に基づいて2倍ないし3倍の射撃すると話していたが、今回は2分の1もしなかった」と指摘した。
金長官は「当時は部隊内に落ちたものだけを確認し、民家に落ちた砲弾は確認できず、(指揮官が)2倍で射撃しろと言って射撃した」とし「北朝鮮の砲撃90余発は海に落ちたものと確認された」と述べた。申鉉惇(シン・ヒョンドン)作戦企画部長は「現場指揮官が戦闘感覚、洞察力でこれを評価し、(2倍程度に)対応レベルを決めた」と話した。
これに対しペ・サンギ元海兵隊少将は「天安(チョンアン)艦爆沈以降、大統領と長官は口では断固たる報復を話しているが、いざ機会が来た時に強力に報復しなければ、北朝鮮側は韓国軍の防御体制をどう考えるだろうか」とし「少なくとも170-180発は撃つべきだった」と述べた。(中央日報)
北朝鮮が23日、延坪島(ヨンピョンド)を攻撃した際、韓国軍の空中攻撃が一度もなかったという点が論議を呼んでいる。金章洙(キム・ジャンス)ハンナラ党議員は24日、国会国防委で、「北朝鮮が2次射撃を始めた際、なぜ戦闘機で報復しなかったのか」と指摘した。
実際、北朝鮮の砲撃が始まった4分後、F-15K(4機)とKF-16(2機)の空軍主力戦闘機が出撃したが、海岸砲を狙った空対地攻撃は行われなかった。F-15Kの2機には射程距離250キロのSLAM-ER空対地ミサイルが搭載されていたが、そのまま戻ってきた。交戦規則のためだ。
1953年に国連司令部が作成した交戦規則は、戦争の拡大を防ぐため「攻撃を受けた場合、対等な武器体系で2倍の対応をする」と、対応攻撃レベルを制限している。砲撃を受けた場合も砲撃だけで反撃できるということだ。
しかし北朝鮮の海岸砲は絶壁の洞窟陣地に隠されているため、地上軍の砲に命中させるのは容易でない。軍は延坪島に配備されたK-9自走砲で対応砲撃をしたが、その打撃点は海岸砲台ではなく北朝鮮軍の幕舎だった。一部では、1次砲撃を受けた後、K-9自走砲でのみ幕舎を攻撃したため、北朝鮮の2次砲撃が可能になり、軍と民間の被害が増えた、という批判も出ている。
金泰栄(キム・テヨン)国防長官はこの日、国防委で、「国連司令部と緊密に協議し、今後、交戦規則を修正補完できるようにしたい」と明らかにした。(中央日報)
「韓国軍のK-9自走砲、北砲弾の10倍の威力」
北朝鮮が23日に敢行した延坪島(ヨンピョンド)攻撃は、黄海南道康リョン郡(ファンヘナムド)ケモリ・茂島(ムド)海岸砲基地から射撃した同時弾着射撃(TOT)であることが24日、把握された。
金泰栄(キム・テヨン)国防部長官は24日、国会国防委で、「北朝鮮は計170発余りの砲撃を加え、このうち約80発が延坪島の陸地に落ちた」とし「攻撃に使われた砲はケモリ・茂島海岸砲陣地の前に出ているものもあり、後ろにあるものもあり、複数の種類の砲が使われたと考えている」と述べた。複数の場所で直射砲と曲射砲が同時に砲撃に使われたということだ。
特に北朝鮮が陣地の後方から曲射砲を発射できるようにした点は今後も大きな脅威になる見通しだ。発射態勢への突入を探知するのが容易でないからだ。
韓国軍はK-9自走砲80発を応射し、北朝鮮軍に被害を与えたものと軍当局は見ている。軍関係者は「北朝鮮地域に雲が多く、確認するのは難しい状況」とし「自走砲から発射した砲弾の威力は北朝鮮が使った砲弾の10倍にのぼり、北朝鮮軍にも相当な被害があるはず」と述べた。
海兵隊はこの日、一発で縦横50メートルの範囲に被害を与えられる爆弾を使った。別の軍関係者は「北朝鮮軍の砲撃は当初計画していたものよりも減ったようだ」とし「これは深刻な被害を受けたという傍証」と話した。
しかし報復打撃を海岸砲陣地ではなく中隊幕舎に集中したという合同参謀のブリーフィングは論議を呼んだ。合同参謀はこの日午前、「北朝鮮の海岸砲は通常、坑道を構築しているため、韓国の曲射砲・海岸砲では直接打撃するのが難しく、中隊幕舎を標的にした」と明らかにした。
これに対し金泰栄長官は「1次攻撃の際は対砲兵レーダー(AN/TPQ-36・37)が作動せず、茂島の砲陣地一帯を打撃し、2次攻撃ではレーダーがとらえた方向(ケモリ海岸砲陣地)を打撃した」と釈明した。
延坪島攻撃前後の北朝鮮の動向と関し、金長官は「砲撃挑発の前、北朝鮮の北倉(ボクチャン)基地を離陸したミグ23機(5機)が警戒飛行していた」とし「現在(北朝鮮軍の)第4軍団海岸砲および長射程砲兵は射撃対応態勢を維持しており、海軍は地対艦ミサイルと艦艇を戦闘配備している」と述べた。(中央日報)>
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6756 北朝鮮砲撃に後手の反撃に韓国国会で猛批判 古沢襄
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