8557 クレディスイスが中国の帳簿外貸し付けを十兆元強と推定 宮崎正弘

温州のヤミ金融の利息は平均で月6%、夜逃げ経営者は微増。22日発売の英誌『エコノミスト』は、中国経済がハードランディングする可能性を探り、欧米への輸出急減、過去十数年来初めての貿易赤字にくわえ、政府の金融引き締めによるインフレ抑制は銀行の貸し出しと停滞させて、不動産下落を生みだし、あげくは不良債権の膿を表にだした、と総括した。
それでも同誌の結論予測は「中国は地方政府の不良債権を補填するに十分は金銭的余裕が中央政府にあり、なおかつ中国の金融システムは国際的に連動しない閉鎖社会だから、(いくらでも紙幣を増刷して銀行を増資させる手段などを行使できるから)、ハードランディングの可能性は低い」とした。
同誌によれば、クレディスイスが中国の帳場外の不良債権を推定し、およそ四兆元と見積もっていることが分かった。
銀行の買い出し総額は54兆7000億元(邦貨換算で711兆円)あるが、このうちの10兆7000億元(140兆円)がオフバランス(つまり帳簿に載っていない企業の債務)、しかも、このうちの四兆元が不動産関連と推定数字をあげた。
ヤミ金融は、昔から地下銀行の盛んな浙江省で顕著であり、しかも温州は、そのメッカ。40万社ある中小零細企業の多くがヤミ金融に手を出していると言われ、「そのうち政府が金融引き締めをやめる」と踏んでいるという。
そういえば温州のタクシーは客を乗せていても、同じ方向の相乗り客を捜しながら走行するため表示はつねに、「空車」。
このようなビジネスマナーは、辺境とくに青海省、甘粛省、黒龍江省でも普遍的で、実際に筆者も何回か経験した。ついでに言えば2011年10月現在、北京、広州はタクシーが拾えないが、上海は空車だらけ(つい最近、初乗り14元、夜間28元に値上げされたのが原因)。
つまりエコノミスト誌の結論は、タクシーの便宜的商法、規則を乗り越える作法が象徴するように、中国商人は、西側の理論や推定をこえるマナーで危機を乗り切る悪智恵に恵まれており、だからハードランディングは回避できるのではないかと言外に示唆しているのである。
杜父魚文庫

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