社会保障・税一体改革関連法案で野田首相は自民党の協力を得て今国会で成立を図る意向を表明している。自民党の谷垣総裁とは二月二十五日に極秘会談を持ったといわれるが、野田首相も谷垣総裁もその事実を否定し続けている。
ここで注目すべきは藤井裕久元財務相の存在ではないか。藤井氏は野田首相の後ろ盾で一番の相談相手といわれる。表面には立たないが、谷垣総裁に近い人を通じて秘かに協力の打診工作をしている。
「法案の成立とほぼ同時期に解散・総選挙」という妥協案を口にしたことがある。ただこの藤井案は、あくまで法案成立前の解散を唱える自民党の反発によって、宙に浮いたままとなっている。
英ロイターは二日、谷垣総裁が都内で講演し、法案には「簡単に賛成できるものではない」と否定的な態度を示している。
小沢グループの反対をみて、「与党のなかでは(法案を)審議して採決となると民主党が分裂してしまう。継続審議して先送りだ、とささやかれているのが実情だ」と情勢分析した。
<[東京 2日 ロイター]自民党の谷垣禎一総裁は2日、都内で講演し、野田佳彦首相が政治生命を懸けて今国会で成立を目指すとしている社会保障・税一体改革関連法案について「簡単に賛成できるものではない」と述べた。
谷垣総裁は「大きな政策を小さな政府で出来るとした民主党マニフェストは究極のデマゴーグだ」とし、「それができないと気付いた野田首相が方向転換をしようとしていることは政策的に間違いではない」と語った。
しかし、消費増税をめぐる与党内の足並みの乱れは、増税に反対する小沢一郎元代表グループ出身の政務3役などが辞表を提出したり、国民新党の分裂騒動として表面化。
谷垣総裁は「進めば進むほど、野田さんの足元は液状化せざるを得ないと思っている」と見通し、事態打開のために「与党のなかでは(法案を)審議して採決となると民主党が分裂してしまう。継続審議して先送りだ、とささやかれているのが実情だ」と情勢分析した。
そのうえで「この局面で、内閣総理大臣が政治生命をかける、不退転の決意でやると言うなら、できなかったら、辞職か、解散して信を問う覚悟を示したものでなければならない」とけん制。
話し合い解散の可能性について「(野党として)果敢に突っ込んでいく前から、話し合い解散なんてない」と対決姿勢を鮮明にした。
一方で、「ギリギリぶつかり合った挙句に、われわれがけじめとして言っているのは解散だが、それに代わってもう少し違うけじめの仕方が出てくれば排除するものではない」とも語ったが、自民党の考え方を丸飲みすれば法案に賛成するのかとの質問には「丸飲みがあるのかどうかはわからないが、丸飲みするというのは『最低保障年金はやらない』ことを明確にするなど、マニフェストをどう清算するかに直結する」と反論。一度決まったことが覆される民主党の意思決定プロセスにも言及し「信じていいところまでいくのはどこか、私の腹は固まっていない」と述べた。
社会保障制度・税一体改革の考え方では、「消費税だけを取り出すと、自民党と民主党で、大きな差があるわけではない」とする一方で、政府・与党案では社会保障の議論が詰まっておらず「有名無実だ」と批判。自民党が社会保障制度を「自助」を基本とし足りないところを補う考え方であるのに対し、民主党は最低保障年金制度に象徴される「公助」の考え方だと指摘。社会保障制度の考え方は「180度違う」とした。(ロイター)>
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9389 藤井裕久元財務相の妥協案と谷垣自民党総裁 古沢襄
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