15402 親中派のチャンピオン=キッシンジャーとシュミット   宮崎正弘

■「中国よ、傲慢になるな」という代わりに「西側は対中姿勢が傲慢だ」って、キッシンジャーとシュミット元独首相が呼びかけ・・。
ドイツの有力『ディ・ツァイト』でシュミット元独首相とキッシンジャー元米国務長官(親中派同士で仲が良い)が対談しており、結論は「西側は対中姿勢を傲慢にするな」云々と呼びかけていることが分かった。
シュミットは95歳存命中、ドイツ政界の大御所的存在で、傲慢そのもの。
かつて冷戦時代に対ソ連脅威論が持論でドイツ国内に米パーシング?を大量に配備して対抗し、ソ連がSS-20を撤去するに到った。
かたやキッシンジャーはドイツ系ユダヤ人、親中派のチャンピオン。北京の代理人で、しかも反日派の論客である。
この二人がドイツの有力紙で対談すれば、どういうことになるか。
ドイツの親中感情をかき立てる影響力があり、中国のメディアは抜け目なく転載して政治宣伝に使うだろう。
と考えていた矢先、早速にも日本で出ている華字紙の『半月文適』(1月29日号、「半月」は隔週刊の意味。同誌は香港の有力紙『文わい報』の日本版で北京寄り)に早くも紹介されている。 
「基辛格告戒西方勿対中傲慢」(「基辛格」はキッシンジャー)という見出し。
「西側の対中傲慢は誤っている」とすることで共鳴しあう二人は「過去二十年の中国の躍進は西側の二百年の成果に匹敵する成長であり、すでに中国は日本とドイツの経済力を凌駕した。
この経済大国としての中国が周辺の国々に与える影響力は飛躍しており、緊張をもたらすと同時に当該地域の抑止力として、今後の南シナ海ならびに尖閣諸島をめぐる日本との係争にも地政学的影響力をもつ。
シュミット元独首相(中国語のシュミットの表記は「施密特」)は人権と平和が重要だが、とくに人権より平和を重視し、中国は短期的目標を追うより、改革開放をなしとげた理想と改革への情熱を維持を周辺との協同の中で維持するべきだとした。
キッシンジャーは「西側は中国への警戒するあまり、中国脅威論を用いて緊張を増大させてしまう政策は傲慢であり、過剰反応である。当該地域での軍事衝突は回避する努力が必要で、人権問題は二義的である」と述べた。
ふたりはまた「1986年の李鴻章の新教に思いを至せば、いかにして中国は政治改革の道を歩むべきかと問うと『改革への情熱を片時も忘れず、最高指導者はいかなる困難に直面しようとも、改革精神を発揮して行くべきだろう』という助言を得た。
いまの中国の指導者には改革への情熱があり、中国のさらなる飛躍と成長は当該地域の安定をいずれ実現するだろう」と楽観的なのである。
かくして親中派のチャンピオンの御両者は「中国よ、傲慢になるな」という替わりに「西側は対中姿勢が傲慢だ」と呼びかける誤謬に気がつかないようである。
杜父魚文庫

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