15597 ロシア、ウクライナのヤヌコビッチ政権の崩壊で痛手   古沢襄

■「大敗北を喫した」とロシア政府のある高官
<【モスクワ】ウクライナで親ロシアのヤヌコビッチ政権が22日に崩壊したことは、つい数週間前には南隣の同国を自らの陣営に引き戻すことに成功したと思われたロシアにとって大きな痛手となった。
ロシア政府のある高官は「大敗北を喫した」と述べた。ロシア政府当局者は、ヤヌコビッチ大統領が大規模な抗議行動で打倒され、親欧州政権が誕生することになったことで、2004年のオレンジ革命を苦々しく思い起こしている。同高官は「我々は再び同じ過ちを犯した」とし、「西側がクーデターの企みに成功したというのが我々の結論だ」と述べた。
西側当局者は、ロシアを挑発しないよう努めているようだ。ロシアの一部政府当局者は、ウクライナが内戦状態となったならば親ロシア地域を保護するため介入することを示唆していたが、ロシア高官の間では介入を支持する兆候はみられなかった。
しかし親欧州の新政権は、ウクライナの主要な燃料供給国で貿易相手国であるロシアから大きな経済的圧力を受ける恐れが大きい。パイファー元ウクライナ米大使は、「ロシアには使える経済的なてこがたくさんある」と語る。
アナリストらは、ロシア政府はウクライナでの大幅後退を受けて、オレンジ革命後のようにロシア国内での反政府派への弾圧を強化する可能性があると警告する。
ロシア政府当局者によれば、政府内では西側諸国がロシアでも同じような革命を企てようとしているとの見方が大勢を占めているという。あるロシア当局者は、「旧ソ連圏で大規模な戦いが始まろうとしている」と強い警戒感を示す。
ウクライナ議会では22日、ヤヌコビッチ大統領の与党・地域党が、同大統領の解任と5月の総選挙実施に関する決議に賛成票を投じ、大統領から離反した。同大統領は同日キエフを離れ、支持基盤の東部に入り、親欧派の権力奪取を「クーデター」と非難した。大統領の政敵で収監されていたティモシェンコ元首相は釈放され、数千人のデモ隊に歓迎された。
ロシア外務省が発表した声明によると、ラブロフ外相は欧米諸国の外相に電話を掛け、「非合法の過激派」がキエフを支配下に置いたと批判し、ウクライナの野党が欧州連合(EU)の仲介でヤヌコビッチ大統領と結んだ停戦合意を順守するよう圧力を掛けることを呼び掛けた。同合意では、大統領は大統領選が行われるまで大統領職にとどまることになっていた。だが西側諸国は、ラブロフ外相の呼び掛けに冷淡で、新政権との協力に動いている。
プーチン大統領は22日、ウクライナの政変には沈黙を保った。一方でソチ五輪でメダルをとったロシア五輪チームを祝う一連の声明を出した。(米ウォール・ストリート・ジャーナル)>
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