15745 米ロ首脳が電話協議―ウクライナめぐり外相会談へ  古澤襄

【リヤド(サウジアラビア)】オバマ米大統領とロシアのプーチン大統領は28日、ウクライナ危機をめぐって電話会談を行い、米国が提案している外交的解決策を協議するため米ロ外相会談を開催することで合意した。
ホワイトハウスの声明によると、プーチン大統領がオバマ大統領に電話し、オバマ大統領は「具体的な対応を書面にするよう」提案。両首脳は「ケリー米国務長官とロシアのラブロフ外相が「次の措置」を協議するため会談を行うことで合意した。
電話協議はオバマ大統領の外遊終了直前に行われた。外遊ではウクライナ南部のクリミアを編入したロシアに対する制裁についての協議が主な議題となっていた。
オバマ大統領はウクライナ政府が危機に対して、事態の沈静化に向けた自制の効いた対応を取り続けており、憲法改正と民主的な選挙を進めていると指摘した。その上で、ロシアに対し、このプロセスを支持し、ウクライナとの国境に兵力を集結させるなどのさらなる挑発行為を避けるよう求めた。
米国はロシアによるクリミア併合への報復として、これまで2度にわたってロシアに対する制裁を打ち出している。プーチン大統領の側近の一部も制裁の対象に含まれている。
米政府高官はロシアがウクライナ東部との国境に兵力の再配置を続けており、対立拡大の懸念が高まっていると見方を示している。
国防総省高官はプーチン大統領が外交的な影響力を目的にウクライナに圧力をかけているだけなのかを含め、その意図がまだ分からないとしている。しかし、同省のある高官はこれについて、ロシアにウクライナ東部に侵攻する能力があることを示していると述べた。
同高官はチェチェン紛争以降、「これほどの兵力を見たことはない」と述べ、ロシアが侵入に向けて調整を行っている可能性があるとの見方を示した。
米政府高官はウクライナ国境とクリミアに約5万人のロシア兵がいるとみている。国境に配置された兵力の規模についてさまざまな推測があるが、ロシアが2008年にグルジアに侵攻したときの規模をはるかに超える兵力を集結させているという。

プーチン大統領は国境に兵力を集結させることで、ウクライナ東部でロシア系住民とウクライナ国民との間の緊張を高め、不安定化を図ろうとしている可能性もある。
米政府高官は動揺を誘うことが兵力集結の目的の1つである可能性があると述べた。(米ウォール・ストリート・ジャーナル)
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