2768 同盟国日本が仏教国と知らない? 宮崎正弘

オバマ就任演説は仏教徒を排除したが、無神論者をくわえた。あれが名演説という分析報道は大事な点をひとつ見逃してませんか?
1月20日大統領就任式。日本時間21日午前貳時。テレビ中継でみていた人も多い。
各紙が大きくあつかって解説した。チェンジ、YES WE CANに替わって、「責任」が前面に出てきた。
「米国は衰退するのが不可避的という恐れ」「恐れより希望を、争いや仲違いより目的を共有することを選んだ」「新しい責任」というのがキーワードだった。
全文を読み返して奇妙なことに気がついた。
読み返す切っ掛けは佐藤優氏と藤井厳喜氏の指摘である。
「(アメリカ人の定義に)イスラム教徒にくわえてヒンズーを入れた。これでオバマはアフガン戦争に本気なことを示した」(佐藤氏)。「無神論をキリスト教徒と並べるという無鉄砲」(藤井氏)。
原文を読んだ(後節の始めの箇所)。
こうである。
「WE AER A NATION OF CHIRISTIANS AND MUSLIMS JEWS AND HINDUS AND NON BELIEVERS」(我々の国にはキリスト教徒、イスラム教徒、ユダヤ教徒、ヒンズー教徒、無宗教の人がいる)。
「米国は地球上のあらゆる場所から集まった言語と文化によって形つくられた」とオバマ演説は次の文節へ繋がるが、問題はここだ。
プロテスタントが主流の国でありながら、カソリックを含めるので「クリスチャン」とよび、ユダヤ教徒を別途に分類する。くわえてムスリムを並べたのはテロリストとの戦争の連帯を意味し、ここへインド重視とばかりヒンズー教徒を加えたが、仏教徒は入れなかった。替わりに無神論者を入れて、これではキリスト教徒、ムスリム、ユダヤ教徒は怒り出すだろう。
オバマ当人と周囲のスピーチライターには、まさか同盟国日本が仏教との国でもあることを知らないか、重視していない証左だろう。
ブッシュ前大統領は01年の就任演説に「神」というキーワードを三十三回、つかった。GOD BLESS YOUで結んだ。
オバマの演説に「神」は三回しか出てこなかった。それも最後の最後に二行だけ。この箇所に神が三回連続する。
以下の通りである。
「『神』の慈悲を身に浴びて、我々は自由という偉大な贈り物を運び、将来の世代に安全を送り届けたい。有り難う、『神』の祝福が皆さんに、『神』の祝福が米国にあらんことを」
 
オバマ支持率、就任式直前に83%もあった。就任式直後から三日間、ギャラップ調査では68%(25日報道)。はやくも15%下落している。
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