日本はハイブリッド車の製造などに不可欠なレアアース(希土類)の中国依存を変える国策を立てる必要がある。共産圏は戦略的資源を相手国の屈服に使うからだ。中国産のレアアースは安価な労働力に支えられて、低価格で輸入できることから、日本は九割方、中国産に頼ってきた。
今年の七月に中国はレアアース輸出許可枠を前年比4割減の約3万トンに削減すると日本に通告している。ハイブリッド車やパソコン、デジタルカメラなどハイテク製品の部品に不可欠なレアアースが輸出制限にかかれば、日本の関連産業は打撃を受ける。
八月の日中ハイレベル経済対話で岡田前外相が削減見直しを求めたが、温家宝首相からにべなく拒否されている。レアアースは希土類元素で、アンチモニー、イットリウム、ネオジウムなど17の元素の総称だが、ハイテク産業での用途が多く、モーターに欠かせない永久磁石にもレアアースが使われている。資源ナショナリズムに立つ中国がレアアースはじめレアメタル資源の輸出制限に躍起となっている。
廉価で良質な中国産レアアースに日本は依存してきたが、日本企業の中には、アメリカ、カナダ、オーストラリアなど、中国以外のレアアース産出国に対して、積極的に投資するところも出ている。ベトナムでのレアアース鉱山開発計画にも日本は乗り出してきた。円高によって日本は対外投資に積極的に乗り出すチャンスなのだが、民主党政権にはその視野がない。
脱レアアースの試みも出ている。三菱電機はレアアースによる永久磁石を使っていたモーター部分に電磁石を使い、レアアースを使わないモーターを開発、他のメーカーや大学などでも、レアアースを使わなかったり、使用量を減らすモーターの開発が行われている。日本は国策として、このような研究投資に積極的な支援をすべきではないか。事業仕分けで大衆の人気を狙うだけが能ではない。
ニューヨークでモンゴルのバドボルド首相は「モンゴルでのレアメタル(希少金属)資源の開発に際して、日本と協力していきたい」と菅首相に表明したという。菅首相は「モンゴルにおけるビジネス環境の一層の整備が重要だ」と教科書通りの対応をしているが、もっと積極的な外交姿勢が必要ではないか。
多様なルートでレアメタル調達することが、リスク低減になるという視野が民主党政権に求められる。民間任せではいけない。
<【ニューヨーク時事】菅直人首相は24日午前(日本時間25日未明)、ニューヨーク市内でモンゴルのバドボルド首相と会談した。バドボルド首相は「モンゴルでのレアメタル(希少金属)資源の開発に際して、日本と協力していきたい」と表明。菅首相は共同開発への日本企業の参入に期待を示し、「モンゴルにおけるビジネス環境の一層の整備が重要だ」と述べた。(時事)>
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6326 レアアースで脱中国の国策が求められる 古沢襄
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