8713 ドイツ国債の札割れを如何に読むか  宮崎正弘

単に「ユーロ共同債」への警鐘か、それとも投資家がユーロ崩壊を読んだか?いま世界の金融界の話題をさらっているのは「次はポルトガルかアイルランドか?」のデフォルト議論より、ドイツ国債の札割れのことである。先日の入札で、35%が売れ残るという以上事態が発生したからだ。
もとよりドイツ国債の金利が2%を超えたことはなく、札割れそれ自体も過去に九回ほど経験している。問題は、なぜいま? おきたか。
第一にドイツの経済が順風満帆の状態から、やや低下傾向にあることを投資家らが嫌気した。
第二はユーロの今後を考えるとドイツの出費が天文学的になることへの不安。
第三は金利を比較すれば、米国債とかわりなく、まして金利の低い日本債でも、長期的円高を考慮に入れればドイツ国債より「買い」という動機が生まれるからだろう。
しかし最大の心理的要素は、ドイツが本格的なギリシア、イタリア救援に、かくも消極的で、かつ欧州世論が「ユーロ共通債」でほぼ合意しているのに、ドイツは依然として、強い難色を示していることへの市場からの強い警鐘ではないだろうか。
欧州危機は相当つよい逆風となってアジア、南米の新興国経済を急襲している。韓国経済の頂点からドン底への墜落が象徴するように、インドも足踏み状態となって、中国のバブル破綻の後追いを始めたようである。
杜父魚文庫

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