8836 北朝鮮版「太子党」、革命第二世代が急浮上 古沢襄

北朝鮮と対峙する隣国でありながら、金正日総書記の死去を察知できなかった韓国情報機関のお粗末さが国内外で批判を浴びている。やはり北との融和策に走った金大中・盧武鉉時代に諜報機関・KCIAを改組してしまったツケが今になって回ってきている。
その埋め合わせというわけではあるまいが、ここにきて韓国政府側から北朝鮮軍部に関する分析情報が相次いで出ている。朝鮮日報に掲載された「権力基盤弱い金正恩氏、革命元老の二世を重用する見通し 葬儀委員会にも名を連ねる」は興味ある内容となった。
つまりは金王朝の「第三代君主」となった金正恩氏だけでなく、金日成とともに戦った抗日パルチザン世代の「革命元老」の子弟たちが重用されているという指摘を具体例をあげて数多く示している。金日成、金正日に忠誠を誓った革命第一世代の子弟たちが、金正恩政権の権力基盤を支えているというわけである。
中国でも革命元老の二世、三世が新しい権力世代となって「太子党」という一大勢力となったが、北朝鮮版の「太子党」も形成されているというのは新しい指摘。これらの特権階級が生まれるところに閉ざされた共産主義政権の特徴がある。
<北朝鮮の金王朝の「第3代君主」となった金正恩(キム・ジョンウン)氏は、今後権力を掌握する過程で、祖父の故・金日成(キム・イルソン)主席と共に抗日パルチザン活動を行った「革命元老」の子弟を重用するとの見方が相次いでいる。韓国政府の安全保障担当部処(省庁)の当局者は「金正恩氏はまだ権力基盤が弱いため、故・金日成主席や故・金正日(キム・ジョンイル)総書記の権威を借り、人民に“代を引き継いだ忠誠”を訴えなければならない。そのためには金日成主席と金総書記に忠誠を尽くした革命第1世代の子弟たちが金正恩氏に忠誠を尽くすことを示す必要がある」と述べた。
革命第1世代の子弟たちは、昨年9月28日に開催された党代表者会でいずれも要職に就いている。中でも最も注目されるのは、崔玄(チェ・ヒョン)元人民武力部長(1907―82)の息子である崔竜海(チェ・リョンヘ)氏(61)だ。同氏はこれまで、黄海北道の党責任秘書(道知事に相当)を経て朝鮮人民軍大将、政治局候補委員、秘書局秘書、党中央軍事委員などの要職に就くなど、朝鮮労働党の主要機関には全て名を連ねている。
また、呉振宇(オ・ジンウ)元人民武力部長(1917―95)の息子である呉日正(オ・イルジョン)氏(67)は、朝鮮労働党軍事部長に起用されている。軍事部長とは400万人の労農赤衛隊をはじめとする北朝鮮予備役の大部分(500万人以上)のトップに当たる要職だ。もちろん北朝鮮でも予備役は現役の兵士よりも人数が多い。今年9月9日に朝鮮中央テレビで生中継された政権樹立63周年の軍事パレードでは、労農赤衛隊司令官として金総書記にパレードについての報告を行い、存在感を誇示した。
呉白竜(オ・ペクリョン)元護衛総局長(1911―84)の長男である呉金哲(オ・グムチョル)上将(64)は、党代表者会で朝鮮労働党中央委員会候補委員から正式に委員に指名され、総参謀部副総参謀長にも就任した。現在、李英鎬(リ・ヨンホ)次帥(69)が総参謀長(韓国の参謀総長に相当)を務める総参謀部は、戦時の指揮系統上では最高司令官から直接の指示を受け、朝鮮人民軍全体の作戦を指揮する立場にある。(朝鮮日報)
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