1960 中国でクルマの買い控え 宮崎正弘

ついに躍進中国でも、クルマの売れ行きが激減。ガソリン値上げに耐えきれず、地下鉄とバス通勤
444万台、500万台、650万台。そして今年は?2005年、中国で生産されたクルマ(トラック、バスを含める)が444万台。それが年率二桁成長。昨年は650万台で、とくにトヨタ、ホンダは予約待ち。
これは精密部品の下請け、孫請け企業の中国へ進出せざるをえない状況を作り出した。
広州にトヨタが進出したときは、付近からエンジニアをスカウトしたので、賃金が二倍に跳ね上がり、広東省のメーカーからトヨタは恨まれた。
自動車鋼板は、日本と韓国から輸入しても間に合わず、さらに中国は世界の奥地にまで鉄鋼石原料をもとめて鉱区買収に動いた。豪州は、ついに中国向け鉄鉱石を95%の値上げで対応(日本も同じ、つまり鉄鉱石は二倍になった!)。
そして原油代金の暴騰。一バーレル=130ドル台。狂乱物価は世界中に広がり、うはうは組は中東諸国とアフリカ、中南米産油国、最大の利益享受組はロシアとなった。
原油が暴騰しても、人民元を劇的に切り上げず、ガソリン価格を中国は据え置いた。
市場原理をしらないからではなく、中国共産党にとって、最大の敵はインフレであるからだ。
逆ざや販売を強制されたため、ガソリンスタンド(GS)での“売り惜しみ”が目立つようになったのは今年二月旧正月直後からだ。
五月に湖南省を一周したおり、われわれのチャーターしたマイクロバス。各地のガソリンスタンドでディーゼル給油に一悶着、騒動があった。GSに大型トラックが二日も三日も待っている。ディーゼルが来ないからだ。
卸売りレベルでも売り惜しみがでていた。(我々の場合、雇ったガイドが有能でGSの主人に「外国からの大事なお客様だから」と、優先的にディーゼルを入れて貰った。別れ際「これが日中友好です」と挨拶をしてきましたが)。
人民日報によれば、ついにクルマの買い控えが顕著となり、57%の人々が「クルマ買うより、通勤は地下鉄かバスにする」と回答したという(「人民網」、6月25日付け)。
この先、まつものは猛烈インフレと、賃金上昇。そして、人民元の劇的な切り上げではないのか。
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