猛暑で眠れない熱帯夜が続くと騒ぐが、利根川を越えた地では朝晩が涼しい。クーラーを入れずに二階の網戸を開けておけば、周囲の森を吹き抜けた風が部屋の中に入ってくる。二階には東西南北、全部で九枚の網戸がある。東風が多いのだが、夏は二階の各部屋のドアは全部開いておく。
愛犬バロンは涼しいところをよく知っている。部屋のドアを開いてあるので、網戸から入った風が廊下を吹き渡って、別の網戸から出ていく。風が通るから廊下が冷えている。時々位置を変えるのは、自分の体温で下が暖まるからであろう。犬は人間より体温が高い。おまけに夏でも毛皮のコートを着ている。
一階の方は、さすがに夜だけは網戸にしてはおけない。この地にも車上盗などが出ている。雨戸までガッチリ閉めて施錠し、愛犬バロンも二階で寝ている。一階の網戸は十枚。朝、四時起きして一階も網戸にし、各部屋のドアを開くのが日課となった。
そのうえで白々と明るくなりかけた庭を眺めながら、冷蔵庫から出した麦茶を飲む。二階から下ろした愛犬バロンも麦茶のお相伴。それが終わると朝の散歩に出ていく。女房も目を覚まして台所で朝食の用意。こんなテンポだから朝の六時前には食事を終えている。
朝の散歩は夜が白々と明けるといっても薄暗い。この街のはずれにある貯水池の土手を歩いて、街の家々を振り返って見ると、数軒おきに電気がつき始めた。街灯はまだついていて、薄暗い道路を照らしている。この朝の風景はいつ見ても楽しい。
しばらく歩いていると犬仲間の散歩に出会う。若い女性が一人でジョギング。犬仲間の挨拶は「涼しくていいですね」。熱帯夜に悩まされる大都会の人に聞かせてあげたい。アスファルトとコンクリートに囲まれた都会生活だから、夜になっても空気が冷えない。クーラーを入れるから放射熱でよけい空気が暑くなる。
田舎にも舗装道路がいき渡ったが、周囲には森がある。私の住む住宅地はブロック塀は許可されない。各家がそれぞれの生け垣を造っている。私などは狭い庭に山ぼうし、枇杷、アンズの古木、山モミジなど十種類ほどの樹を植えてある。
戦前の東京には結構、大きなお屋敷があって大きな樹があった。緑が東京にもあったのだが、空襲に次ぐ空襲で緑が焼失してしまった。戦後復興は緑の復活よりも、コンクリートの集合住宅が優先された。
孫が八月になるとやってくる。「おじいちゃんの家は安まる」と中学二年生になったから、言うことも一人前になった。孫が来るからクーラーの手入れを慌てて始めた。久しく使わないクーラーが動くかどうか・・・。
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2066 熱帯夜というのに朝晩が涼しい 古沢襄
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