安倍政権が短命で終わった原因は三つあげられる。①育ちの良さからくる非情な冷酷さの欠如②その半面性なのだが友情の厚さからくる”お友達”的なところ③そして安倍氏の健康面での弱さ・・・である。
よく左派から言われる安倍氏の右傾的な傾向は、短命の理由にはならない。あるとすれば、安倍首相を担いだグループが右傾化を志向する人たちと、左にウイングを広げようとする人たちに二極分解したことが、安倍政権の力を弱めた。
具体的には左にウイングを広げることが安倍政権の長期化に資すると信じた中川秀直氏を幹事長を据えたことが間違ったのではないか。最初から思想・信条が同じ麻生氏を幹事長に据えて、郵政政局で離党した無所属議員の復党を進め、分裂した地方組織の再建・修復に努めていたら参院選の惨敗は防げていたであろう。
しかし中川氏は同じ清和会の親しい兄貴分。小泉政権時代から安倍支持を鮮明にしていた中川氏とは、ホノルルで政権構想を語り合った仲である。森元首相や青木参院議員会長も中川幹事長を推していた。
育ちがいい安倍氏は、それを押しきって麻生幹事長を据えるほどのタフな政治家ではない。亀裂を残したままの地方組織をかかえて参院選に突入している。
安倍内閣の閣僚人事は論功行賞人事と言われた。育ちがいい安倍氏に対して有形無形の党内圧力がかかったであろう。よく”身体検査”の不十分さが言われたが、それよりも任命閣僚の不規則発言が相次いで野党の集中砲火を浴びてしまった。そこに追い打ちをかけたのが閣僚の不祥事。
したたかな首相なら迷わず大臣の首を斬ったであろう。トカゲの尻尾切りと言われても非情な冷酷さに徹する。長期政権を維持してきた歴代の宰相は、それをやってきた。目の前で大臣が首を斬られば、後任閣僚は用心して事にかかる。生殺与奪の権は首相が握る。
麻生政権が発足して、早速、不用心な閣僚発言が飛び出している。安倍氏とお友達で、育ちが抜群に良い麻生首相は、さて、どうするのであろうか。
<中山成彬(なりあき)国土交通相が、成田空港の拡張が進まなかった原因を「(地元住民の)ごね得」などと発言した問題で、麻生太郎首相が中山氏を更迭するのは不可避との声が26日、与党内で強まった。10月上旬が確実視される衆院解散を前に、民主党など野党4党は中山氏の罷免を求めて攻勢に出ている。内閣を発足させたばかりの麻生首相の任命責任は免れず、解散日程にも影響するとみられる。この問題で26日、堂本暁子千葉県知事とアイヌ民族団体の北海道ウタリ協会の加藤忠理事長らが国交省を訪れ、中山氏に抗議した。
中山氏は25日、成田空港に関する発言のほか、「日教組の子供は成績が悪くても先生になる。だから大分県の学力は低い」「日本は『単一民族』と言うか、内向きになりがち」と問題発言を続けた。
麻生首相に近い自民党幹部は26日夜、「野党が多数の参院から中山氏の辞職を求めて問責決議案が出る。放置したら、予算委員会で野党から散々にやられて持たなくなる」と述べ、中山氏を更迭する以外に収拾策はない、との考えを強調した。
公明党幹部も同日夜、「首相は更迭を迅速に決断すべきだ。すっきりするし、麻生内閣の支持率は逆に上がる」と述べ、中山氏の更迭を強く促した。
首相は国連総会出席で25日から訪米していたが、27日未明に帰国。政府・与党幹部と発言問題への対応を協議するとみられる。
堂本知事は26日、小泉一成・成田市長らとともに中山氏と面会。「成田空港は地元住民の協力と関係者の努力で建設された。発言は、今後の空港の整備・運用にも大きな影響を及ぼす」との抗議文を手渡した。
「日本は単一民族」との発言には、北海道ウタリ協会の加藤理事長が中山氏に抗議した。日教組の高橋睦子副委員長らも国交省を訪れたが、中山氏とは会えず、謝罪と辞任を求める抗議文を事務方に渡した。中山氏は堂本知事とウタリ協会に謝罪後、記者団に「しっかり職務を全うしたい」と述べ、辞任は否定した。(毎日)>
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2338 育ちが良い首相のウイークポイント 古沢襄
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