3402 韓国も核を持つ「核主権論」が急浮上 古沢襄

韓国の朝鮮日報は北朝鮮の核武装に対抗して、韓国も核を持つ「核主権論」が政界に急浮上していると伝えた。韓国の核武装論は新しいことではない。朴正煕大統領の時代にフランスの核技術に依存した核兵器開発計画を極秘裏に進めたことがある。
1970年ことである。米ニクソン政権は韓国の反対を押しきって、在韓米第七師団を撤退させる決定を行っている。韓国軍の装備は時代遅れで、国家防衛の能力に欠けていると判断していた朴正煕は、まずプルトニウムを生産する核燃料再処理工場を手に入れようとした。
1972年、米国には極秘裏にフランスと話し合いを進めて、1974年に韓仏合同事業で、年間で約10キロのプルトニウムを生産できる再処理工場の技術設計を作った。これは広島型原爆と同等の爆発力を持つ核兵器二個を作るのに十分な設備といわれている。1974年にはインドが核実験をした年に当たる。
この動きを米大使館に密告した者がいる。ソウルの米大使館で政治担当参事官だったポール・クリーブランドは「密告者の情報により、韓国がひそかに核爆弾の製造計画に乗りだした確証を掴んだ」と述べている。
この事件はワシントンに衝撃を与えた。
キッシンジャー国務長官がソウルの米大使館に送った電文が残っている。この中でキッシンジャーは①韓国の意図は北朝鮮と日本の(核武装)に影響を与える②とくにソ連や中国が北朝鮮の核兵器支援を保証する可能性を生む③韓国の核開発計画は米国の防衛公約に対する韓国政府の信頼低下を反映している・・・35年前の極秘公文だが、今でも通用しそうな文言である。
<北朝鮮の第2回核実験をきっかけに、韓国政界で「韓国も独自の核能力を持つべきだ」という「核主権論」の議論が沸いている。ハンナラ党のパク・ヒテ代表は27日、ソウル市鍾路区三清洞の首相公館で開かれた幹部党政協議会で「北朝鮮の核問題に関し、今までとは違う対処法を模索する時が来たのではないかと思う」と述べた。
孔星鎭(コン・ソンジン)最高委員も「われわれは韓半島(朝鮮半島)非核化共同宣言を発効したが、果たして有効なのかもう一度冷静に考えなければならない」と述べた。外交的表現での発言だったが、「韓国も進展した核能力を検討すべきだ」と問題提起したものだ。
政界ではこれに関連して、強硬論の「核武装論」と平和的な「核サイクル完成論」の2種類の主張がされている。自由先進党の朴宣映(パク・ソニョン)議員はこの日、「慎重にではあるが、韓国も自衛用核兵器を開発する時が来たのではないか検討すべきだ」と述べた。ハンナラ党の金東聖(キム・ドンソン)議員も「韓国も核兵器を開発するのが、北朝鮮の核を放棄させる最も効果的な方法だ」と述べた。
金容甲(キム・ヨンガプ)前ハンナラ党議員も「米国の核の傘は永遠ではない。韓国も生存のため核を開発すべきだ」と主張してきた。
このような核武装論はまだ少数だ。しかし、韓国が自ら放棄した「平和的核利用論」を取り戻すべきだという主張はかなり勢いを増してきている。韓国は、韓半島非核化共同宣言、米国との原子力協力協定などにより、独自の核再処理・濃縮施設を保有することができない。
北朝鮮の核実験をきっかけに、韓国も「核燃料生産→使用→廃棄物を利用した再処理」からなる一連の工程を完備した能力を持とう、というのが「核サイクル完成論」だ。与党指導部がこの日話した「新しい対処法」もこれを念頭に置いたものとみられる。
政府もこれを米国と協議する方針だという。柳明桓(ユ・ミョンファン)外交副長官は26日、国会で「2012年までに韓米原子力協定の改正をまとめなければならない。この過程で、核サイクルにおける韓国の主権に関する問題も真剣に協議すべきだ」と述べた。
問題は、核燃料を再処理すれば核兵器製造の原料になるプルトニウムを得られるため、国内外で反発が起きる可能性が高いという点だ。今の時点では、民主党側からも否定的な反応がある。盧英敏(ノ・ヨンミン)報道官は「武力衝突は南北どちらにも利益にならない民族滅亡の道だ」と述べた。外交副長官出身の宋旻淳(ソン・ミンスン)議員は「核そのものをなくすということに集中すべきで、国家安全保障をこのような感情的な反応に頼るのは賢明ではない」と話した。(朝鮮日報)>
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