3814 金門島・アモイの間の海峡で遠泳大会 古沢襄

四十四年昔に台湾の最前線・金門島を軍事視察したことがある。ベトナム戦争の最中であった。金門島の防御陣地から大陸をみると指呼の間に7キロの海峡がある。中国側も防御陣地を作っていて、望遠鏡でみると中国兵の姿が見えた。
金門島は全島が要塞化されていて、十二万の国府軍兵士が地下陣地に駐屯していた。地下陣地には軍用トラックが走れる道路まで作られていた。地下の映画館まであった。北朝鮮の北部山岳地帯にある地下陣地も同じ様なものが構築されているだろう。
中国と台湾は最前線の金門島で連日の様に激しい砲撃戦を展開していた。中国軍の上陸作戦も何回か行われていたが、装備に勝る国府軍によっていずれも大きな損害を出して撃退された。この戦闘に巻き込まれて従軍取材に当たった読売新聞の記者が殉職したこともある。
私たちは台北の空軍基地から輸送機で金門島に向かったが、中国側のレーダーに捕捉されないために海面スレスレの飛行をしている。数日前に北の馬租島に中国のミグ戦闘機が襲来して、馬租島基地から飛び立った国府軍の輸送機が撃墜され、全員が戦死したばかりであった。
その金門島と中国福建省アモイの間の海峡で、中国と台湾合作の遠泳大会のイベントが行われたという。金門島の海岸線に埋め込まれた鉄製防護柵の一部約300メートルが一時撤去したしたというから、今昔の感に堪えない。
<【台北・大谷麻由美】中国福建省アモイから台湾の離島・金門島まで渡る遠泳大会が15日、中台共催で行われた。同海域は1949年の中台分裂以来、軍事対立の最前線。両国関係が改善する中で初めて実現した。
台湾の中央通信によると、イベントには水泳選手やマラソン選手など中国側49人、台湾側48人の計97人が参加。15日午前10時20分(日本時間同11時20分)にアモイ市を出発し、金門島までの約7.1キロを約2時間半以内で合法的に泳ぎきった。
今回の大会のため、台湾側は金門島の海岸線に埋め込まれた鉄製防護柵の一部約300メートルを撤去した。同島の駐留台湾軍は1950年代の約12万人から07年11月には約1万人に激減、今後更に半減させる予定だ。金門県政府は観光業を新たな産業に育てたい考えで、足かせである防護柵撤去を望んでいた。しかし、国防部(国防省)は防衛上の問題から、今回撤去した防護柵も時期を見て再設置するとしている。(毎日)>
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