4417 日本援助50億ドルの行方 宮崎正弘

カルザイ(アフガニスタン大統領)明日、再選就任式。欧米があきれる腐敗分子たちの政権。日本の援助50億ドルは真面目に使われるか?
カルザイ大統領は一回目で過半数に1%弱不足し、11月7日に決選投票を予定したのも欧米の不正選挙疑惑への強い抗議とやり直し選挙要求だった。しかし対立候補のアブドラが土壇場で再選挙不出馬を表明したため、自動的に再選された。
欧米の強い抗議が集中したポイントは、カルザイとチケットを組んだ副大統領の入れ替えだった。しかしカルザイは聞く耳を持たなかった。
カルザイ政権貳期目の第一副大統領はファヒム。タジク人。北部同盟のボス、麻薬取引の黒幕。対ソ連戦争時代はCIAに協力し、武器を横取りして貯蔵し、93年のハザラ人800名虐殺事件でも影の主役と言われる。
第二副大統領はカリム。ハザラ人。人権抑圧の張本人、敵対部族の誘拐、レープ、虐殺の凶暴さで知られる。
カルザイがなぜ、この二人を副大統領とするかは簡単な理由である。カルザイはパシュトン出身だが、カブールの政権は連立政権。タリバン壊滅のためにCIA、米軍の支援をうけて闘ったのは主として「北部同盟」(タジク人が主体)、各地でゲリラ戦争に協力したのが、ハザラ人とウズベク人。つまりアフガニスタン政権は「部族連立」の性格が濃厚な上、軍と秘密警察はタジク人が主である。
ファヒムとカリムは、カルザイ再選のために地域のボスを統治し、カルザイへの投票をし向けた。カルザイにとっても恩人である。いってみれば外国援助独占の利権共有のための連立政権といえるだろう。
▲アフガニスタンが「民主化へ向かっている」という寝言は聞き飽きた
さらにウズベク人のドスタム将軍ともカルザイは連立を模索し、ドスタムはトルコへ亡命したが、呼び返して要職に就ける用意をしている。
ドスタムはアフガニスタンとウズベキスタンの国境マザリシャリフ地区をおさめる、いわば山賊の首魁のような存在。
かくてアフガニスタンが、西側の期待と援助とで、オバマ政権がいうような「民主化」のプロセスに有るとは信じがたいことであり、「ますます腐敗は深まるだろう」(アルジャジーラ、11月18日付け)。
 
現在、アフガニスタン警官8万人の給料の半分を日本が寄付している。
ところが警官が八万人も本当にという証拠はなく、警察を束ねるトップがおおよそのカネを独占していることは火を見るよりも明らかであり、部族社会のアフガニスタンでは、当然のことでもある。
こんな国に日本はインド洋上の給油活動をにげるためにあらたに50億ドルを援助すると鳩山首相はオバマに約束した。欧米があきれる腐敗分子たちの政権。日本の援助50億ドルは真面目に使われるはずがあろうか。
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