4755 波紋広がる財務相発言で新たな火種 古沢襄

時事通信社は伝統的に民間経済に強いことで定評がある。菅財務相が為替相場に「口先介入」し、円安を招いたことに、英ロイター通信社と同様に懸念を示した。「通常国会召集を18日に控え、新たな火種を抱えた」とみている。
菅氏は「重い立場だと自覚し、発言に責任を感じないといけない」と反省を口にして、一応は神妙な面持ちだが、そこは強気の自信家。今後の為替介入の可能性にも言及して、円安誘導発言が「確信犯」であることをうかがわせた。鳩山首相のハラハラ・ドキドキが続きそう。
<菅直人副総理兼財務相が為替相場に「口先介入」し、円安を招いたことが8日、政府・与党内に波紋を広げた。盟友の財務相起用で政権の危機乗り切りを目指す鳩山由紀夫首相だが、円安誘導発言は全くの想定外だったと言える。2010年度予算案などを審議する通常国会召集を18日に控え、新たな火種を抱えた格好だ。
首相は8日午前、「政府は為替に言及すべきではない」と記者団に述べ、菅氏の発言は不適切だったとの認識を表明。夜も「この問題に関しては黙っている方がよろしい。通常国会に影響があるとは思わない」と語り、火消しに努めた。
首相の苦言に対し、菅氏は同日の記者会見で「重い立場だと自覚し、発言に責任を感じないといけない」と反省を口にする一方、「為替に対して何らかの行動を取ることは財務相の権能に入っている」と、今後の為替介入の可能性にも言及。円安誘導発言が「確信犯」であることをうかがわせた。
一連の言動に、菅氏周辺は「挑発に乗りやすいから心配だ」と懸念を強めている。野党側は10年度予算案の国会審議で、ガソリン税の暫定税率を実質維持することなどを取り上げ、「公約違反」と突く構え。追及をかわして予算案の年度内成立を図るのが菅氏の役回りだが、攻撃型の答弁ではかえって野党に新たな攻め口を与えかねないからだ。
首相は藤井裕久前財務相の後任選びで、いったんは固辞した菅氏を押し切り起用。就任記者会見で、菅氏は「大臣は役所の代表ではなく、国民が役所に送り込んだ国民の代表だ」と述べ、財務省改革に取り組む強い決意を示した。「政」と「官」の関係にも変化が予想される中、首相には、「最強官庁」のトップに就いた盟友をコントロールする手綱さばきが問われそうだ。(時事)>
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