解散・総選挙の期日はともかくとして、衆院選挙の情勢をここで分析しておく必要がある。筆者の分析によると自民党が議席を倍増する潮流となっており、公明党と合わせて安定多数を上回る見通しとなって来た。
一方民主党は現在の245議席を大きく減らして3分の1程度となる大惨敗。日本維新の会はあらが目立って急速に人気がしぼんでおり、中規模の野党にとどまりそうだ。
選挙の潮流を占うにはまず大新聞の世論調査が何と言っても決め手となる。選挙が接近してくるとこの調査も当たる確率が濃くなってくるのだ。
まず朝日の最新調査では衆院比例区の投票先でも、自民が30%(9月の緊急調査は23%)に伸び、民主の17%(同15%)を引き離した。維新の会は比例区投票先では4%だった。
読売は自民が36%(同31%)、民主が18%(同14%)となった。前回2番目だった維新は13%(同16%)に下がり、3番目となった。いずれも自民党が民主党の倍という流れとなっており、維新が急速に力を落としている。
自民党は総裁選で新総裁を選出して勢いが加速され、民主党は代表選の足の引っ張り合いとそれに続く内閣改造の失敗で低落が加速された。
民主党惨敗の流れは鳩山由紀夫、菅直人の2代にわたる政権の大失政とマニフェストの虚偽性判明で落ちるべくして落ちた。いみじくも経団連会長・米倉弘昌の「民主党政権は失望の3年間だった」という発言がすべてを物語っている。3年前に風が吹いて3倍増の議席を獲得した面影はかけらも見られない。
308議席は一つの党が獲得した議席数としては過去最多であった。また比例区の得票も2984万票を獲得し、日本の選挙史上で政党名の得票としては過去最高を記録した。
それが筆者の分析では100議席を割って70~80議席まで落ちる。まさに3倍増が3分の1になる方向だ。
没落を象徴する注目の選挙区は自民党が五輪銅メダリストの堀井学道議(40)を立てて「元首相落選」を狙う、鳩山の北海道道9区だ。鳩山は厳しい戦いを強いられており予断を許さない。
一方自民党は、折からの尖閣諸島をめぐる中国の暴挙で右バネがますます働き、ただでさえ復調気味の党勢に勢いがつき始めた。現在の117議席を倍増する勢いだ。230~240議席を獲得する可能性が出てきた。
この議席は公明党が30議席は固いことから、自公連立で260~270議席となる。これは安定多数を意味する。与党がすべての委員長を独占し,かつ各委員会の半数以上の委員を獲得できる議席数である252議席を上回ることになるからだ。
台風の眼は依然維新の会だが、夏頃には何と110議席獲得などと言うほら吹き男爵がいたものだが、筆者の予想通りブームには翳りが生じている。大阪市長・橋下徹は発言のたびに中央政治への見識の無さを露呈させており、自らが立候補しない事も含めてマイナス効果を生じさせている。
しかし自民党にはじき飛ばされても、弱り目の民主党を蚕食する力は残っているだろう。恐らく関西を中心に50議席前後を獲得する可能性がある。最近橋下はいったん袖にしたみんなの党への接近姿勢を見せている。
確保した衆参議員7人の能力を見て、既成政党の力を借りなければ国会の対応が出来ないと判断してのことだろう。みんなの党が20~30議席を取るだろうから、選挙後に院内会派を結成する可能性がある。そうすれば野党第1党を民主党と競い合うかもしれない。
哀れをとどめるのは小沢一郎が率いる「国民の生活が第一」だ。現在の37議席を大きく減らして10議席前後がいいところだろう。小沢自身が落選することはまずないが、幹部の山岡賢次、東祥三も危うい。もちろん小沢チルドレンやガールズはほとんどが“落人”となる。
繰り返して示される民主党政権のはちゃめちゃさに、“風”のみで投票行動を起こした、「衆愚の浮動票」が、ようやく選挙の恐ろしさを知った3年間であった。こともあろうに東日本大震災という未曾有の災害と原発事故への最低の対応として跳ね返ったのだ。1票の大切さを有権者はかみしめる必要がある。
杜父魚文庫
10709 自公で安定多数、民主惨敗1/3議席に 杉浦正章
杉浦正章
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