11320 インドはロシアとの貿易拡大を希望し、両国関係ふたたび緊密に 宮崎正弘

プーチンのクリスマス・ギフトは最新鋭ジャット戦闘機と武装ヘリ。インドはロシアとの貿易拡大を希望し、両国関係ふたたび緊密に。
インド・露西亜関係は「蜜月」にまでは復活しないだろう。
12月24日はクリスマス・イブ。といってもロシア正教はクリスマス・イブを祝う習慣はなく、インドはヒンヅー教ゆえに、耶蘇教のお祭りには関心がない。
プーチン(ロシア大統領)は一日だけニューデリーを訪問した。武器の「契約」の為である。
 
ロシアはインドに武装ヘリ71機(13億ドル)とスホイ型ジェット戦闘機42機(16億ドル)を新たに供与する。もとよりインドの武器体系の70%はロシア製である。
これは中ソ対立時代からの地政学的因縁によるもので、ロシアはインドの軍事的強化の梃子入れをしてきた。
両国関係は冷戦終結後、インドが米国に漸進的に摺り寄ったため、しばしギスギスしてきたが、プーチンはインドへの武器供与を「友好のためだ」と発言し、シン首相との共同会見では「地域の安定と民主主義の定着、そしてアフガニスタンの繁栄を希望し、全体主義からの脱却を深く希求する」云々とした。
ロシアとインドの貿易は2009年の往復75億ドルから2012年には100億ドル台へ拡大したが、両首脳は「三年以内に両国の貿易は200億ドル台に達するだろう」と楽観的見通しを述べた。
この最新鋭武器の取引を注目して見ているのは中国である。
中ロ関係の「友誼、漸進」を謳う手前、北京はモスクワ批判を控えているものの、内心は疑心暗鬼であろう。
(読者の声)安倍内閣発足ですが、唸ってしましました。敗者復活とお友達ばかり。大丈夫でしょうか? 宮崎正弘さんがお親しい人も、かなり入閣されているようですが。とくに『正論』のアンケートで、多くが安倍、石原両氏をあげていた折、宮崎さんは稲田朋美さんを強く推薦した記憶がありますが、彼女も入閣でした。安倍政権の出だしの段階ですが、評価は?(JJセブン)
(宮崎正弘のコメント)小林秀雄が、「政治家の評価は周囲に何人が、その人のために死ぬ人がいるかで決まる」と参議院議員になったばかりの頃の石原慎太郎に言ったことがあります。
何年か前、それこそ十年以上は前ですが、小生が講師によばれた、或る代議士の勉強会に来たのは安倍、石原(伸)、根本匠、塩崎恭久、も一人誰でしたか。この人たちは当選同期なのですね。
安倍さん、この二、三年ほど顔色が良く、一皮、二皮も剥けてきたなと感じていました。とくに保守系文化人の出版記念会や、イベント、国民集会などには必ずと言って良いほどに顔を出していて演説にも張りがあり、昨春頃から「これなら再登板もありうるかも」とは思っていました。
六年前、病気で石もて追われるように舞台から降ろされたとき、山口の後援会幹部が「われわれは公家をえらんだんじゃない」ときつい批判をしていましたが、朝日新聞が最大の敵でした。
インターネット時代に朝日の主張はいまや誰も見向きもしない。戦後レジームの克服が世論の主流になった。しかも中国の暴虐が結果的に安倍さんを呼びに行った。

サイコロのぞろ目、花札で松鶴がでたように、突如、安倍さんにツキが回った。第一に党内事情の激変。派閥内の「重し」だった森が引退し、煙たい町村が病気がちとなり、小泉はOB格なれど応援団。麻生は始めから御側用人のごとく。次に党内事情は谷垣おろし、とはいえ古賀、中川が引退し、旧宏知会は衣替え、田中派は空中分解、でていった小沢には誰も付いていかず、政治生命は終わった。そのうえ与党・民主党は混迷、支持率は一桁台に転落という、まさに天佑の雷雲という状況だった。
九月初旬まで自民党総裁選で泡沫扱いされてきた安倍さん、中国の反日暴動と比例するかのように、国民から待望される。歴史的にもこれは奇跡のカムバック劇では?
そして安倍当確どころか自民圧勝の空気に変わるや、選挙結果をまたずに日経ダウが上昇に転じ、円安へ舵取りが変わり、なおかつ「日本経済再生本部」構想が一歩踏み出した。これらの動きは時の運です。

新内閣の陣容を見て、小生は「力強さ」を感じました。年功序列派閥均衡配分式という旧来の悪習を覆して、適材適所、しかも不遇の先輩達もそれなりに遇し、ポピュリズムだけの人は遠ざけている。
とはいえ竹島、靖国、教科書、尖閣、改憲など大きなテーマは来夏の参議院選挙勝利後でしょう。朝日新聞や戦後レジームの胡座を掻く左翼ジャーナリズムが安倍攻撃の謀略を仕掛けてきますから、防波堤になる人も必要です。雇用の拡大と景気回復が当面の新政権の目標であり、なにはともあれ経済への取り組みが重要です。
諮問会議も再生本部も重要な役目を担うでしょうが、内閣官房参与に、注目の二人。浜田宏一イェール大学名誉教授は、小誌でも紹介したように白川日銀総裁批判の急先鋒で、通貨供給を増やせ論者。もひとり、藤井聡・京都大學教授は、日本列島耐震構造工事による契機復興を説くブレーン。
補正予算が成立するあたりから株価は急騰する場面があるかも。円安も来夏には一ドル=90円をうかがう展開になる可能性が大きいですね。
杜父魚文庫

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