11353 デルロサリオ比外相が再軍備賛成というが・・  古澤襄

フィリッピンのデルロサリオ外相は、日本が平和憲法を捨てて再軍備を進めたら「大歓迎する」と言明した。英フィナンシャル・タイムズが10日付けで報じている。
敗戦後、一番、反日感情が強かったのはフィリッピン。フィリッピン全土が日米両軍の戦闘によって廃墟と化す被害を受けている。だから俄には信じられないデルロサリオ発言。それを信じて再軍備をヒート・アップするほど日本の国内事情は単純ではない。
だが東南アジアの各国は、大なり小なり日本が軍事的に強くなってほしいと願っているのも事実だ。
その背景には経済大国から軍事大国になりつつある中国の脅威が増大していることがある。とくに中国海軍の増強によってフィリッピンはじめ東南アジアの各国は直接、脅威を肌で感じている。これに対抗できるのは、日米の海軍力というバランス感覚あっての再軍備歓迎なのであろう。
その裏にはアメリカと中国が大国エゴで手を結ぶ懸念があるのも事実だ。日本が軍事的に強くなり、日米軍事同盟が強固であれば、アメリカはフラフラしない。東南アジアがそう感じるほど超大国アメリカの力には昔日の面影がない。
しかし日米と中国が競い合って軍事力を強化すれば、先はどうなると懸念せざるを得ない。ソ連のように中国も軍備増強で破綻する保証はない。
だから外交力が求められると、平和国家・日本の識者は口を揃えて唱える。しかし軍事的に無力な日本が外交力で国際世論をリードできるほど甘いものではない。
とどのつまりは、国民生活に大きな影響を与えない範囲で、日本の防衛力を高め、日米軍事同盟を確かなものにする積み重ねの中で、中国の脅威に対抗する道しかない。デルロサリオ外相から再軍備を「大歓迎する」といわれても、すぐには期待にはそえないと言わざるを得ない。
杜父魚文庫

コメント

タイトルとURLをコピーしました