豪華レストランが閑古鳥、贅沢品奢侈品の旗艦店に客足遠のき。
「これは整風である」と胡徳平が吠えた。胡徳平は胡耀邦の息子、全国政治協商会議常務委員だが、太子党にあって「民主」の旗を掲げる改革派のシンボル。だが、さすがの胡徳平も老いた。70歳。
いま北京の合い言葉は「静かに食事、紳士的振る舞い、支払いは秘かに」。
かくてマオタイ酒の売り上げは激減した。兵隊の宿舎は午後五時から宴会場だったが、その風景は殆ど見られず、豪華レストランは閑古鳥が鳴き、従業員が陸続と解雇されているという(ウォールストリートジャーナル、4月2日)。
全人代期間中、グッチ、フェガモ、ディオール、ダンヒルなど豪華奢侈品の旗艦店は一年分を稼ぎ出すほどの商機だったのに、ことしは様子がすっかり違った。客足が遠のき、一部の旗艦店はガラガラとなった。これも異様である。
「共産党高官の腐敗は上海の黄浦江に浮かんだ豚の死骸のごとし」とネットに批判が集中しているが、先月末からネット「微博」などを駆けめぐる噂は徐才厚が「双規」を受けているという衝撃的ニュースだ。
徐才厚といえば、直前まで軍のナンバーツー(党軍事委員会副主任)。江沢民の指名によって軍を牛耳ったが、12年11月の党大会で軍事委員会メンバーが様変わり、多数派は胡錦濤派、習近平派はふたりだけとなって、前軍事委員会トップと雖も「双規」の対象となるというわけだ。
この噂はどこまで信用出来るか。というのも旧幹部が長期に不在となると、かならず「失脚」説が飛び交う。劉奇保がそうだったし、昨年党大会直前に習近平が一週間雲隠れしたときも「深刻な病気」「再起不能」説が飛び交った。
しかし現実に「徐才厚は全人代を欠席しており、最終日の段階で習が双規対象を指示した」(多維新聞網、4月2日)という。
つまり腐敗捜査の対象として拘束されている可能性があるというのである。軍の不敗のシンボルといわれた徐才厚が、本当に失脚するとなると、中国軍の内部に不穏な空気が流れるのは確実。つまり「整風は軍事クーデターを誘発しやすい」のである。
杜父魚文庫
12179 習近平の反腐敗キャンペーン、まだ息切れせず継続中 宮崎正弘
宮崎正弘
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