日本が独立を回復してから、61年もたつが、憲法改正へ向かって、ようやく動きだした。
大多数の日本国民が中国が乱暴に振る舞い、アメリカの力が相対的に衰えさせているなかで、現行憲法によっては国を守れないことを、認めるようになっている。
私はアメリカが占領下で押し付けた憲法は、憲法としてまったくふさわしくないものだから、「偽憲法」と呼んでいる。
それでも、憲法改正まで、まだ道は遠い。第96条を改めてから、新しい憲法案をつくって、国民投票に問わなければならない。
改正憲法の目玉は何といっても、自衛隊を国防軍につくりかえることだ。憲法改正を待つまで、自衛隊をどの国も持っている軍に、できるだけ近づけることをはかりたい。
まず、集団的自衛権の行使が内閣法制局の憲法解釈によって、禁じられてきたことだ。内閣の判断一つによって、改めることができる。自衛隊法も現実にそぐわない制約が多くて、軍として機能しない。
そして自衛隊員の階級や、兵科、装備などの擬い物の呼称を改めたい。
一佐、二佐、一尉、三尉、二等陸曹、陸士長という階級の呼称を、理解できる国民がどれだけいるものだろうか。
正解は、大佐、中佐、大尉、少尉、軍曹、上等兵だ。マスコミも、外国の軍人の階級については、旧軍の階級を用いているから分かりやすい。全国民に親しまれている、アニメの『ガンダム』をとっても、同じことだ。
国民が理解できる呼称に戻すことによって、自衛隊員の士気が向上する。
かつて自衛隊の創生期に、戦車は「特車」と呼ばれたが、いまでも砲兵は「特科」、歩兵は「普通科」のままだ。判じ物である。航空自衛隊の攻撃機は「対地支援機」だし、海上自衛隊の軍艦は「護衛艦」だ。
将校は「幹部」と、言い替えられている。マスコミが暴力団の幹部を呼ぶのにも、用いている。作戦は「運用」だし、戦闘服は「迷彩服」と呼ばれる。自衛隊の用語のなかに「兵」はもちろんのこと、「戦死」も存在していない。
自衛隊を偽軍としている例を、いくらでもあげることができる。自衛隊の任務が後ろめたいものだとして誤魔化すために、このような言い替えが行われてきた。
これでは自衛隊員が、胸を張ることができない。
戦後の日本は自らを騙して、敗戦を終戦、占領軍を進駐軍、平和憲法というように、現実から逃れるために、言葉を摩り替えてきた。
もっとも、言葉を快いものにするためにいい替えるのは、日本民族のお家芸であってきた。猪を山鯨といって堪能してきたし、兎は四つ足なのに、1羽1羽と数える。徳川幕府が葦原と呼ばれた、葦が群生していた埋立地に売春街を造った時に、葦原が「悪し原」に通じるので、吉原と命名した。
陸海空自衛隊の小林一佐といっても、ほとんどの国民が俳人を連想しよう。
小林一茶に、「其(そ)の場のがれの正月言葉など必ずのたまふまじきもの也(なり)」という句があるが、正月のあいだだけ験(げん)をかついで、耳に快い言葉にいい替えたものだった。
自衛隊の呼称を改めるのには、たいした予算を必要としない。7月の参院選で与党と友党が圧勝したら、ぜひ取り組んでほしい。
杜父魚文庫
12753 自衛隊員の志気を高めるため憲法改正の前にやるべきこと 加瀬英明
加瀬英明
コメント
集団的自衛権の話になるといつも出てくるのが内閣法制局です。官僚は自分自身に責任が罹らないように常に組織の名称で色々な意見があるケースを処理しようとします。
在日への生活保護支給についても法律ではなく厚生省の局長通達で決定しているようだし、国民保険料を支払っていなかった主婦に年金を通達一本で支払ったりしています。
国の基本政策を決定したり税金を新たに支給開始するなどの際には、官僚の固有名詞を明確にして事後であっても責任を取らせたり弁済を求めることもありうる制度にすべきだと思います。
法律の文章をつくる官僚が責任をうまくのがれる仕組みがあるように思います。