<激戦の東京選挙区(改選数5)では、無所属の俳優山本太郎氏(38)が劣勢をはね返し初当選を果たす大番狂わせが起きた。「新党 今はひとり」を立ち上げ東京8区から立候補した昨年12月の衆院選では7万票以上を獲得も落選。待ちに待った当確の報を受けた山本氏は「もう、ひとりじゃない!」と絶叫。悲願の脱原発実現を誓った。
立すいの余地もない事務所に響く「太郎コール」。女性支援者は、「みんな、やっと分かってくれた…」と泣き崩れる。「見たか!組織票がなんぼのもんじゃ!」と叫ぶ人も。午後9時10分ごろ、山本氏の当確が出ると約500人の支援者は続々と歓喜の声を上げた。
山本氏はわずかに目を潤ませつつ満面の笑み。しかし当選につきものの「バンザーイ」はない。「やっとスタートラインに立てた。でも国会議員になりたかったわけじゃない。だからバンザイはしない。みんなの命を守ります」。ストレスから直径4センチにまで拡大した頭部の円形脱毛を誇らしげになでさすった。
東日本大震災後の東京電力福島第1原発事故をきっかけに反原発活動に傾倒。のめり込むうちに芸能活動は激減した。転機は昨年12月の衆院選。東京8区から立候補し、大幅に出遅れたが7万1000票を獲得。自民党の石原伸晃環境相に敗れたものの、民主党候補を上回る健闘を見せた。
参院選では党議拘束などで主張が妨げられるとの思いから、再び無所属での選挙戦を決意。しがらみを一切持たない強みを強調した。選挙戦では「脱原発」より踏み込んだ「脱被ばく」を主張。「原発事故による汚染食品を流通させるな。汚染地をはっきりさせろ」。埋没する野党と対照的な力強さに、30~40代を中心に支持を拡大した。
解禁されたネットでの選挙運動も追い風に。支持の声は、ツイッターやフェイスブックで日々拡散。「ネットでの盛り上がりが、当選につながった」と山本氏も驚く。
ひとり「脱原発」を唱え続け始めた頃は、巨大な風車に独りで立ち向かう、小説「ドン・キホーテ」の主人公との見方もあったほど。しかし、今ではボランティアは1000人を超えた。「一番最初に声を上げたときはしがらみだらけの世界でした。でも今は、こうして皆さんの力を借りて、参議院に行くことができる」。地道に起こした風は嵐となり、見事、風車を壊してみせた。
「たった一人が国会議員になっても国を急に変えられるわけじゃない。もっともっと横につながる市民が増えないと。そして、政権取るとこまで行こう!」。山本氏の戦いは始まったばかりだ。
◆山本 太郎(やまもと・たろう)1974年(昭49)11月24日、兵庫県宝塚市生まれ。高校在学中に日本テレビ「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」の「ダンス甲子園」への出演がきっかけで芸能界入り。俳優としてNHK連続テレビ小説「ふたりっ子」(96年)、NHK大河ドラマ「新選組!」(04年)などに出演。11年5月に所属していた芸能事務所を辞めてフリーとして活動していた。(スポニチ)>
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13397 山本太郎氏が大番狂わせ当選「もうひとりじゃない!」 古澤襄
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