13533 海保長官に生え抜きが初就任   古澤襄

海上保安庁の長官に生え抜きで、海上保安大学校出身の佐藤雄二氏が就任した。尖閣諸島の海域で日夜、過酷な任務につている海上保安庁の職員にとって遅すぎる政府決定なのかもしれない。現場を知らない国土交通省のキャリア官僚が一色触発の任務についている海上保安庁のトップになる慣例は時代錯誤も甚だしい。これが”政治主導だ”と言わせない。
海上保安庁は英語標示で「Japan Coast Guard」。翻訳すれば「日本国沿岸警備隊」である。432隻の船艇を持ち、72機の航空機を擁する実力部隊、海上の安全および治安の確保を図ることを任務としている。
しかし予算の制約から予算規模は約1800億円に過ぎない。人員も約1万2000人に押さえられ、就航している巡視船の老朽化も表れ、耐用年数を超えた船もあるという。いま必要なのは海上保安庁の職員増員と巡視船の建造ではないか。海上自衛隊の装備強化費を一時的に削ってでも、海上保安庁の増強を計るのが焦眉の急である。
<海上保安庁の新しい長官に、現場の生え抜きとしては初めて、海上保安大学校出身の佐藤雄二氏が就任し、記者会見で「あらゆる場面に冷静に対応していきたい」と述べました。
佐藤雄二長官は、海上保安庁の65年の歴史の中で、初めての生え抜きの長官で、1日午後行われた交代式で、北村隆志前長官から海上保安庁の旗を手渡されました。
このあと、佐藤長官は初めての会見に臨み「尖閣諸島の警備など国の根幹に関わる業務があるなかで長官に就任し、身が引き締まる思いだ。実際に巡視船に乗って、尖閣諸島での対応に当たった経験を生かし、あらゆる場面に冷静に対応していきたい」と述べました。
■65年の歴史で初
佐藤雄二長官は、海上保安庁の65年の歴史の中で、初めての生え抜きの長官になります。海上保安庁は、昭和23年に発足し、日本の周辺海域で、領海の警備や海難救助などに当たってきました。
東京の海上保安庁のほか、実際に巡視船などを運用する海上保安本部が、北海道から沖縄まで11の海域に分かれて置かれています。
海上保安庁のトップのポストが長官で、その下に次長、海上保安監が続き、11の海上保安本部には、それぞれ本部長がいます。
幹部の多くは、広島県呉市にある海上保安大学校を卒業し、巡視船での勤務を経験した現場の生え抜きですが、長官ポストは、いわゆるキャリア官僚が就任してきました。
長官には、この65年間に合わせて42人が就任していますが、現場からの生え抜きの長官はこれまでいませんでした。前の北村隆志長官も国土交通審議官からの起用でした。
キャリア官僚を起用する明確な決まりはありませんが、事務次官など各省庁のトップをキャリア官僚が占めているため、霞が関の慣例を踏襲していたものとみられます。
佐藤長官は、海上保安大学校を卒業して昭和52年から巡視船に乗るなど現場での業務を経験し、その後、海上保安庁の課長や、東シナ海や奄美諸島周辺海域を担当する鹿児島市の第10管区海上保安本部の本部長を務めました。
そしてことし5月からは、海上保安庁ナンバースリーの海上保安監を務め、今回、海上保安庁の65年の歴史の中で初めての、生え抜きの長官となりました。
海上保安監と異なり長官は、トップとして国会で答弁するなど、現場の指揮だけでなく、対外的な役割も求められます。
海上保安庁は、去年9月11日の政府による尖閣諸島の国有化以降、領海侵犯を繰り返す中国当局の船に対応するため、全国から巡視船や乗組員を現地に派遣していますが、各地の海難救助を同時にこなし、厳しい運用が続いています。
国有化以降、領海のすぐ外側の接続水域に中国当局の船が入ったのは232日に上り、領海侵犯は54日に達しています。このため、海上保安庁は、3年以内に大型巡視船12隻が所属する尖閣諸島専門のチームを整備することにしています。
佐藤長官の座右の銘は「質実剛健」だということで、海上保安庁の職員は「国会答弁など慣れない仕事も多くなるが、現場の指揮官として見せた冷静沈着な姿勢を続けてほしい」と話しています。(NHK)>
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