13556 「窮鳥懐に入れば猟師も殺さず」は通用しない  古澤襄

<米国のジェイ・カーニー大統領報道官は1日、スノーデン氏の一時亡命をロシアが認めたことについて「深く失望している」としてロシア側に不快感を示した。中国国際放送局が報じた。
ジェイ・カーニー大統領報道官はさらに、9月に行われる予定の米ロ両国の大統領会談を含めて再検討していることを明らかにしたが、ロシア側は「スノーデン氏による一時亡命はロシアと米国との関係に影響を与えることはない」と主張した。
カーニー報道官は「スノーデン元CIA職員を米国に送還するよう要求し続けてきたにもかかわらず、ロシア政府がこのような措置を取ったことに深く失望している」と述べた。(サーチナニュース )
<米司法長官の書簡に返信したと明らかにした。中国国際放送局が報じた。
ロシア法務省は書簡の詳細は明らかにしていないが、ホルダー米司法長官は書簡で、スノーデン氏の身柄引き渡しや国外追放は要求せず、同容疑者が米国に送還される場合は臨時旅券の発給が可能であり、送還されても米国はスノーデン容疑者に死刑を求めないと保障している。(サーチナニュース )
スノーデン元CIA職員を一年にかぎりロシア亡命を認めたことで、米ロ関係に暗雲が立ちこめている。米国内ではソチ五輪のボイコット論まで生まれている。
ロシアにしてみれば、米ロ関係の悪化を招かない範囲での一時亡命許可だったろうが、予想以上の米国内の反発に戸惑っているのかもしれない。人権意識が低いロシアだが、スノーデン元CIA職員の首に縄を打って、アメリカに引き渡す反発の方が怖いといえる。
アジアには「窮鳥懐に入れば猟師も殺さず」の諺がある。
『顔氏家訓・省事』に「窮鳥の懐に入るは仁人の憫れむ所なり。況や死士、我に帰す。当にこれを棄つべけんや(逃げ場をなくして困窮した鳥が懐に飛び込んできたら、慈悲深い人はこれを助ける。まして死を覚悟している兵士が助けを求めてきたら、どうして見捨てることができるだろうか)」とある。
これはロシアにとって”きれい事”に過ぎない。むしろロシアの本音はスノーデンから米CIAの極秘情報を聞き出すことにウエートを置いているのは間違いない。ご用済みになれば、あっさりアメリカに身柄を引き渡すつもりなのかもしれない。
非合法なCIAの情報活動だが、ロシアとてKGBの非合法スパイ活動をさんざんやってきた。「窮鳥懐に入れば猟師も殺さず」は日本だけに通用する諺なのかもしれない。香港からモスクワに体よく追い払った中国は口を拭って、高見の見物を決め込んでいる。
杜父魚文庫

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