■中国の本質的体質は「戦争立国」である。「対外戦争へと突入する『さだめ』は避けられない。国内の矛盾を処理するために・・。
<<黄文雄『真実の中国史 1949-2013』(ビジネス社)>>
中国の歴史というのは「欺瞞」と「粛正」という二つのキーワードで括(くく)ろうとすれば、それは可能である。
そして「人民共和国後期」がもう終わっていると断じる黄文雄節はますます冴え渡り、全編に響き渡り、だが、今後の中国は規模からみても世界史的な大混乱をもたらすであろうと説く歴史評論の巨編。
それは中国の本質的体質が「戦争立国」であるが故である。「日本は日米戦争に負けて大日本帝国が崩壊したが、それでも日本の国体は変わらなかった。内戦も起こらなかった。日本に於ける最後の内戦は今から百余年前の明治維新後の西安戦争のみだった。だが、中国は二十世紀に入って帝国、民国、人民共和国と数度も国体と政体がかわっただけではない。毛沢東の社会主義国家と改革開放後の『権貴資本主義』国家は明らかにまったく異なる政体である」。
それゆえに黄歴史学の予測は言うのだ。
「対外戦争へと突入する『さだめ』は避けられない。国内の矛盾を処理するためには対外挑発を梃子に共通の外敵をつくりださなければならない」からで、その格好の標的が日本というわけだ。
通常兵器で日本にかかってくるわけはない。中国はまっとうな戦争をできる能力はない。だから一番卑怯な手段を用いるだろう。
日本を殲滅せよ、とがなり立てる反日カルトがネット上にうじゃうじゃといるが、朱成虎将軍ともなると「核攻撃」をまったくためらわずに恫喝の常套句で用いる。朱発言にたぐいすることを江沢民も、胡錦涛も、集金平も公式の場で発言したことはないが、替わりに強硬発言を繰り返すのがタカ派軍人らである。
日本にとっての脅威は核弾頭の標的が日本を向いているという現実である。「瀋陽軍区に配備されている、日本を向く核弾頭は最近さらに分散強化されている」と黄文雄氏がいう。
カナダの防衛シンクタンクが発行している「『漢和防衛評論』によれば、『解放軍の核兵器配備について、全国二十九の省・区・直轄市に配備され、第二砲兵部隊は三つの巡航ミサイル旅団を擁している。江西省宜春市北部に新設された第二一九巡航導弾旅団は十六両の発射車両と四十八のCT巡航ミサイルを所有しており、日本と沖縄が戦略目標となっている』」(282p)。
物騒なことこのうえないが、日本政府は正式に中国に核兵器廃棄を養成したことがない。
杜父魚文庫
14497 書評『真実の中国史 1949-2013』 宮崎正弘
宮崎正弘
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