15277 安倍首相は二兎を追ってはならない   古沢襄

アメリカが中東地域で歴史的な敗北を喫し、後退を余儀なくされているのは誰の目にも明らかとなった。そこでアジア太平洋地域に軸足を移そうとしている。
だが超大国アメリカには昔日の力はない。その間隙を縫って中国がこの地域で軍事力を強化している。オバマ米政権にはこれに抗する力も思想も欠落している。あるのは内向きの人気とり政策だが、それも効を奏していない。オバマ支持が国内でも急落している。
それに反比例してヒラリー・クリントンの人気が急上昇している。
超大国アメリカがこのまま衰退するとは思えないが、衰退過程にあると観るのが正しかろう。同盟国の日本は、これまでの様な米軍事力に依存する”あなた任せ”の外交・安全保障政策から脱して自立した国防政策を打ち立てる時期にあるのではないか。
衰退過程にあるとはいえアメリカの国力は依然として大きい。日本は単独では世界をリードする力を持っていない。一国が世界をリードする時代は去っている。
その意味で中国の軍事力強化を怖れて突出した軍拡路線をとるのは正しい選択とはいえない。むしろアジアやEU諸国との外交関係を強化して幅広い安全保障の環境を構築するのが目指すべき国策なのであろう。
日本は長引いた景気後退から脱して経済と景気回復に全力を注ぐべきである。国論を二分する憲法改正などのテーマに慌てて取り組むのは利口とはいえない。安倍政権に危惧を抱くのは、経済と景気回復の道半ばにして憲法改正などのテーマに突っ込む危うさにある。
安倍内閣に対する高い支持率は、国民がアベノミクッスの達成に期待しているからである。二兎を追う愚をすべきではない。
杜父魚文庫

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