16989 ロイターが岸田外相留任を予測報道    古澤襄

日本の内閣改造人事を海外の通信社が予測報道するのは珍しい。それも自民党内で第三派閥のリーダー・岸田文雄氏の外相留任予測。
<安倍晋三首相は25日、来週の内閣改造で岸田文雄外相の留任を軸に調整に入った。北朝鮮による日本人拉致問題の進展や日中首脳会談の実現に向け、外交の継続性を重視した。ただ、自民党役員人事で石破茂幹事長の後任に充てることも検討しており、党内情勢を見極めて最終判断する。石破氏は25日、幹事長続投を希望する考えを表明した。
自民党人事は9月2日、内閣改造は翌3日に予定される。首相は岸田氏の外交手腕を評価する一方、自身が再選を目指す来年の党総裁選をにらみ、党内第3派閥を率いる岸田氏を幹事長に就けて取り込む選択肢も探っているとみられる。>
新年早々に戦後保守にあって主流派に精通していた辻トシ子さんが「安倍政権は終わりではないか」と聞いてきた。辻さんは
岸田文雄氏がポスト安倍だと予測した。
ユニークな予測なので、沈黙せざるを得ない。大方が予測するのは石破茂氏のポスト安倍であろう。9月人事をめぐって安倍VS石破の対立構図で解説する向きが多い。
どちらかといえば岸田氏は地味で目立たない。党内で第三派閥のリーダーだが、安倍氏に変わらぬ協力姿勢を示している。それに第三の派閥・宏池会(旧池田派)は、旧大蔵官僚を中心に池田元首相が作ったハト派集団、これまで池田勇人、大平正芳、鈴木善幸、宮沢喜一といった総理を輩出してきたが、ハト派なるがゆえに”お公家さん集団”と揶揄されてきた。
その流れをみると、池田派→前尾派→大平派→鈴木派→宮沢派→加藤派→(二派閥分裂)→古賀派→岸田派となるが、田中角栄氏が作った”野武士集団”に較べると迫力に欠ける。
だが吉田元首相、池田元首相、佐藤元首相、宮沢元首相と近かった辻さんは、保守本流は依然として隠然たる力を持っていると言い切る。これに対して岸元首相、福田赳夫元首相らタカ派集団は、保守傍流だという見方を崩さない。だから「安倍政権は終わりではないか」という見方をしている。
それなら来年の自民党総裁選を目指して石破・岸田提携を構築して、安倍再選を阻む動きが出ても良さそうだが、そうはなっていない。むしろ安倍・岸田提携を強めている。岸田幹事長になれば石破氏にとってマイナス要因となろう。
ここにきて岸田氏の外相留任説が首相周辺から流れているが、むしろ石破氏をこれ以上刺激する人事は避けたいという思惑が菅官房長官ら首相周辺にあるのではないか。岸田氏周辺も勝負どころは、来年の自民党総裁選ではなくその次だと判断しているフシがある。
それには保守傍流であっても安倍派の協力が欠かせない。石破氏にとっては気になる動きであろう。
杜父魚文庫

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