17092 その後のベトナムを往く(その2)    宮崎正弘

■ダナンは不思議なことに好況に沸いていた
ダナンの町は摩天楼も多く、全体に活気がある。旧市内にはビジネスホテルが多く、川岸にはフランス植民地時代の名残のような洒落たレストラン、バア、ワインセラーが犇めいている。そのうえ、物価が安い。
ダナンは不思議なことに好況に沸いているのである。
河畔にある「ウォーターフロント」という有名なレストランで食事をしたが、リバーサイドが満員で、それもベトナム人の家族連れか、カップル。まるでファミレスである。その二日前に近くの中華料亭に行ったが、こちらの満員。ファミレス状態だった。ワインが揃うのはフランス時代の影響である。
値段でいえばホーチミンの半値くらいだろうか。7人で食事を取り、ワインを一本開けて九千円弱だった。ひとりあたり1300円弱である。
ともかく満員の理由を英語の通じる店長に問うと、その夜は花火大会だった。九月二日はベトナム独立記念日、昼間は各地でベトナム独特な獅子舞が練り歩く。
ダナンの都心部にはカテドラルがあって夕方のミサは体操の人混み、デパートも人手があり、大手スーパーは韓国系。花屋さんが多いのも中部ベトナムの特色なのだろうか。
新市街区は海岸よりに開けており、海辺には高級リゾートホテルが軒をきそうように林立状態。しかしその間の土地は空いていて工場団地予定地に進出が予定される企業の看板さえない。まだまだ工場建築に空き地があるように思えた。
ダナンのホテルを拠点にしていたので、次に7人が乗れる大型タクシーをチャーターし、ユエに行った。
片道三時間ちょっと。途中、ドライブイン休憩。
ユエで王宮を見学し、昼飯を食べた。往復で十時間、さすがに疲れた。タクシー代? 一万七千円ほどだった。
ユエは古都、グエン王朝の首都、王宮跡がのこり、堀があり、付近の緑は豊かで花々が美しく咲き乱れている。シクロ(人力車の観光タクシー)がしつこく「乗っていけ」と誘う。
ここで意外に中国人が多い。グエン王朝が中国系であった所為かも。集団でがやがやと、そのうえ多くが一眼レフカメラを抱えているからすぐに分かる。台湾と韓国からのツアーも混ざるが、日本人は少ない(中年のおばさん三人組をみかけただけ)。
ユエには付近に工業団地がおおいため、日本企業もかなり進出している。
このため王宮から橋を渡ったビジネス街(新市内)には日本食レストランが三軒ある。旧サイゴン(ホーチミン市)には、十数軒、いや寿司バアやら居酒屋を含めると数十店ありそうだが、その理由は付近に工業団地があるからだろう。
総じてベトナムの中部工業地帯、中国企業の復活には時間がかかりそうで、これまでは韓国系の独断上ともいえた。なにしろソウルからダナンへ直行便が飛んでいる。日本からはようやく七月に開設したほど、韓国系には遅れを取っている。
杜父魚文庫

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