17598 北朝鮮側「明白な資料発見できず」と菅官房長官    古澤襄

菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、今回の北朝鮮との協議で北朝鮮側から拉致被害者の入国の有無や生活環境などを具体的に調査しているとする一方、「現時点で客観的で明白な資料は発見できていない」と説明があったことを明らかにしました。
この中で菅官房長官は、29日までピョンヤンで行われた拉致被害者らの調査を巡る北朝鮮との協議について、「北朝鮮からは、拉致被害者の調査では、『個別の入境の有無や経緯、生活環境などを調査している。被害者が滞在した招待所の跡などの関連場所を改めて調査するとともに、新たな証人や物証などを探す作業を並行して進めている』と説明があった」と述べました。
そのうえで菅官房長官は、「日本側からは、どのような方法で調査を進めているのか、さまざまな角度から詳細な質問を行ったが、北朝鮮側からは、『これから調査を深めていく段階で、途中段階で憶測を招くような説明は避ける。現時点で客観的で明白な資料は発見できていない』という説明があった」と述べ、拉致被害者に関する具体的な情報は示されなかったことを明らかにしました。
そして菅官房長官は、「北朝鮮側からは、『客観的、科学的な方法で調査する。過去の調査結果を参考にするが、それにこだわることなく調査を深めていく』という説明があった。わが方としては、北朝鮮が従来の主張にこだわることなく、『ゼロベース』で調査を進めていくと理解している」と述べました。
また菅官房長官は、拉致された可能性が排除できない、いわゆる特定失踪者の調査について、「北朝鮮側から資料の要求があったとか、北朝鮮に対して資料を提供したとかは、今後の交渉に支障を来すので答えることは控えたい」と述べました。
さらに菅官房長官は、日本人遺骨問題や残留日本人・日本人配偶者の調査を巡る北朝鮮側の説明について、「遺骨問題の分科会では、『すでに探されている日本人の墓地などの調査実態とともに、新たな埋葬地の発見に努めている』との説明があった。
また、残留日本人・日本人配偶者分科会では、『資料を分析するとともに、現地調査により証言を聴取し、人定事項などの確認に努めている』と説明があった」と述べる一方、具体的な情報の提供はなかったことを明らかにしました。
また菅官房長官は、北朝鮮側から、さらなる制裁の解除や人道支援などの要求があったかどうかについて、「今回の訪朝の中で制裁の解除や人道支援の言及はなかったと報告を受けている」と述べました。
そして菅官房長官は、今回の派遣について、「日本政府の立場を明確に伝え、調査の現状の詳細を把握できたことは意味があった。北朝鮮の最高指導部に日本の決意が伝えられ、これが迅速な調査や一刻も早い通報につながると期待している」と述べました。
また菅官房長官は、今後の北朝鮮との協議や、調査結果の通報を受ける時期などは決まっていないとしたうえで、「すぐに結果が出るという簡単な問題ではないとご理解いただけると思うが、いつまでもズルズルということではなく、1年をめどにしっかり対応していきたい。これまでの協議では、『発見されたら随時、通報する』ということになっているので、そこは守るべきだということを強く求めている」と述べました。
そのうえで記者団が、「北朝鮮からの1回目の調査結果の通報は年内が望ましいという考えか」と質問したのに対し、菅官房長官は、「常識的にはそうだろう」と述べました。(NHK)
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