やはり安倍首相は四月の日米首脳会談で航空自衛隊の次期主力戦闘機について、米国の最新鋭戦闘機F22Aに関する情報提供をブッシュ大統領に求めていた。日米首脳会談で米空軍の最新鋭戦闘機F22ラプターを日本側が一〇〇機導入する話し合いが行われると米ワシントン・タイムズが事前に報じていた。
しかし首脳会談の後、日米首脳からはF22Aについては一切コメントがなかった。真相はわからないまま三ヶ月が過ぎたが、ワシントン共同は日米関係筋の情報として、この情報の確認をとっている。
<【ワシントン6日共同】航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)選定に絡み、安倍晋三首相が4月末の日米首脳会談で、先端技術が搭載されていることなどから情報開示が米国内法上禁じられている最新鋭戦闘機F22Aに関する情報提供をブッシュ大統領に直接求めていたことが分かった。大統領は理解を示しながらも、防衛当局間の協議を指示したという。日米関係筋が6日明らかにした。
日本が「第5世代」と呼ばれる最新の戦闘機獲得を最優先課題と位置付けていたことが鮮明になった。しかし米側は現時点で、性能やコスト面の情報開示や輸出解禁は困難との見解を示している。来春の機種最終選定を目指す日本側は、米国への強力な政治的働き掛けを迫られることになる。>
F22は、レーダーに捕捉されにくいステルス性と超高速巡航能力を兼ね備えた高性能戦闘機として1990年代から開発されてきたが、冷戦の終了で計画が縮小されていた。昨年十二月に初めてバージニア州ラングレー空軍基地に実戦配備された。
ことしになって二月から沖縄の米軍嘉手納基地に12機のF22が暫定展開されている。航空自衛隊は米空軍のF22ラプターと、沖縄周辺の訓練空域で共同訓練する方針を固め、共同訓練には空自那覇基地所属のF4のほか、第6航空団小松基地のF15数機が参加して、二十七日から実施された。
F22の優れた性能は①レーダーにとらえられない優れたステルス性能②スーパークルーズ性能(超音速巡航)③早期警戒と偵察能力・・・にある。レーダー上でのF22の大きさはFー117ステルス爆撃機の四分の一から六分の一で、肉眼ではほとんど見えないレベル。
昨年アラスカで行われたFー15、Fー16、Fー18など米主力戦闘機との模擬空中戦では、F22は接近していることも把握されないまま完全に勝利し、結果は144対0だったという。
軍事専門家はF22を日本が一〇〇機保有すれば、中国や韓国との空軍力比較では日本が圧倒的に有利になるとみている。海上自衛隊はイージス艦六隻(一隻は年内に配備)を保有し、アジアでは最強の海軍力を持ったが、航空自衛隊にF22が配備されれば、空・海ともにアジア最強の戦力を持つことになる。
来年夏に予定されている次期主力戦闘機(FX)の選定で、防衛省がF22の導入を考えているのは間違いない。すでに事務レベルでF22の性能について米側との打診工作が行われている。
問題はF22の価格である。米事産業業界のニュースレター「インサイド・ジ・エアフォース」の最新号によるとロッキード・マーティン幹部が対日輸出について「まだ最高レベルの検討には及んでいないが、そこへ向かいつつある」と述べたという。 一機の調達価格は約1億3000万ドル(152億円)で、同社幹部は日本側にもほぼ同様の価格を提示している。
しかし一機当たり3億ドル(約358億円)ともいわれ、Fー4の40億円、Fー15の120億円を遙かに上回る。一兆円近くを要するミサイル防衛システム構築の費用と合わせて考えると日本側の財政負担の面でハードルが高い。
それだけではない。米国が保有しているF22は183機、機密性の極めて高い先端軍事技術が多用された戦闘機なので、これまで他国と共有することには一九九八年の米国議会で海外販売を禁止した。
F22の導入については日米双方に困難な問題を抱えている。日本で初の”女性国防大臣”となった小池防衛相にとって重い課題となったことだけは確かである。
739 首脳会談でF22導入の打診 古沢襄
未分類
コメント