日本では豚インフルエンザの上陸阻止で国をあげて躍起になっている。豚もインフルエンザに罹るのだが、馬もインフルエンザに罹る。日本にはすでに馬インフルエンザが上陸していた。さらには犬もインフルエンザに罹る。
もう38年も昔の話だが、1971年12月に関東地方で馬のインフルエンザが流行している。馬から馬へ感染するだけで、ヒトには感染しないウマ2型(H3N7)といわれたので、豚インフルエンザの様な騒ぎにはならなかった。新聞には「馬流感」の字が躍った記憶が残る。
この馬インフルエンザはニュージーランドから輸入した五頭の乗用馬が感染源だといわれた。ウイキペデイアが次ぎに様に伝えている。
<これは1971年11月19日にニュージーランドより乗馬クラブが輸入した5頭の乗用馬が感染源となったものであったというのが現在の定説である。この5頭は所定の輸出検疫を終了し、12月3日に東京、青森、福島の乗馬クラブなどに導入され、この導入された場所から感染が広がったとされている。
しかし、当時馬インフルエンザの清浄国であったニュージーランドの輸入馬がどのような経路で感染したかは不明であるとされている(このため、本当の感染源はフランスから輸入された種牡馬で、ニュージーランドから輸入された馬はこの種牡馬からウイルスを移されたに過ぎないという説も唱えられている)。
このインフルエンザウイルスに対して当時の日本は処女地であったため、ワクチンなどの対応策も無く、日本のウマ類全体に広がり(最終的には1都1府7県(東京、大阪、青森、福島、新潟、埼玉、千葉、神奈川、 広島)の26箇所)、とりわけ東日本地区の競走馬の間では発症する馬が続出、エピデミック(地域流行)の様相を呈した。>
競馬フアンなら記憶があるだろう。地方競馬から中央競馬にも波及し、東京競馬場の厩舍群でインフルエンザに感染した競争馬が続出して、第16回有馬記念競走で一番人気のメジロアサマが出走を取りやめとなった。
ウイキペデイアはさらに犬インフルエンザについても書いている。
<犬インフルエンザは馬インフルエンザの原因となるH3N8亜型のようなA型インフルエンザウイルスのいくつかの亜型を原因とし、2004年に報告された。
イヌはこのウイルスに以前に曝露したことがないために、これに対する自然免疫を持たない。それゆえ、個体間に急激に伝播する。
犬インフルエンザはいくつかの地域のイヌの集団にエンデミックを引き起こす可能性がある。犬インフルエンザの罹患率は高いが、致死率は低い。>
馬インフルエンザと犬インフルエンザは近い関係にあるようだ。馬からヒト、犬からヒトにウイルスが感染する段階にはない。
だが、新型インフルエンザはもともと動物だけに感染していたインフルエンザウイルスが新しく変異することによって、ヒトに対する病原性とヒト→ヒトへの伝染性を獲得したインフルエンザ感染症だから、油断はできない。
中国では1993年から94年にかけて、モンゴル地区で馬インフルエンザが大流行している。この時には馬、ロバ、ラバなど224万頭が感染、2万4600頭が死亡した。
アジアの馬インフルエンザのほとんどは、米国やヨーロッパからの輸入馬が感染源とみられている。1993年の中国の場合もロシア経由で導入されたウマ2型ウィルスの感染馬が原因とされている。
ただ、懸念される例外があるという。中国東北部における1989-1990年の馬インフルエンザは鳥インフルエンザに由来するものだという。(馬インフルエンザと同じH3N8の抗原性を持っていたが、遺伝子構造が鳥インフルエンザに由来するものだった)。
このとき2万頭以上に感染し、感染率は81%、死亡率は20%以上という高率のものだった。この鳥型インフルエンザウイルスは、このとき以外確認されていないというが、馬の体内でウイルスが変異する可能性が否定し切れない。
ウイルスによって人間が罰されている世の中が来たのだろうか。
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