3764 高揚した気分と不安の谷間 古沢襄

韓国は初の宇宙ロケットの発射で高揚したムードに包まれている。相対的に米国と中国は思いとどませようとしている。しかも初のロケットの成功確率はそれほど高くない。高揚した気分と不安の谷間にあるというのが、偽らない韓国の姿であろう。
朝鮮日報の「韓国初の宇宙ロケット発射に緊張する人たち」の社説が、緊張感に包まれた模様を伝えている。
<韓国初の宇宙ロケットである羅老号(KSLVI)の打ち上げ予定日が11日に決まった。これに成功すれば、韓国は自国で衛星の打ち上げを行った10番目の国となる。人工衛星、ロケット、発射基地のすべてを自国で保有する宇宙開発先進国へと飛躍する第一歩というわけだ。
これまで羅老号はロシアとの技術協力の遅れや部品調達の問題などが原因で、当初のスケジュールが5回も延期された。これから1週間後の打ち上げ予定日まで、気象の問題や技術的な問題など、現時点では予想できない数々の障害が発生する可能性は否定できない。そうなると、打ち上げの日程はさらに延期されることもあり得る。
今誰よりも緊張して状況を見守っているのは、今回の羅老号打ち上げ事業に直接参加した科学者や技術者たちだろう。彼らは過去3年間、週末や休日を返上し、家庭もほとんど顧みずに羅老号開発に没頭してきた。ロシアの専門家でも23カ月はかかるという発射台の建設をわずか19カ月で終わらせ、関連技術の80%を国産化するという成果も得た。心も体もすべてささげた羅老号開発のため、関係者は打ち上げの成功を誰よりも強く願っているはずだ。
現時点ですでに宇宙ロケットの打ち上げに成功している国々も、最初の打ち上げが成功した確率は30%にも満たない。1957年にソ連がスプートニク号を打ち上げたことに米国が衝撃を受け、その2カ月後にバンガード号を打ち上げた。しかしこのロケットは打ち上げからわずか2秒で爆発した。90年代に日本が開発したH1ロケットも、最初の2回はいずれも失敗に終わり、当時、科学者たちは大きな失意に落ち込んだ。
羅老号の開発にはこれまで5000億ウォン(約392億円)もの予算が投入されている。高興にある羅老宇宙センターの建設費用も含めると、8000億ウォン(約627億円)をもはるかに上回る。もし羅老号の打ち上げに失敗すれば、この巨額の資金が無駄になってしまうかもしれないし、国民も大きく失望するだろう。そのために今回の羅老号事業に参加した科学者や技術者たちが味わっている精神的プレッシャーは、どれほどのものだろうか。
米国と日本が最初はロケットの発射に失敗しても、その挫折を乗り越えて再び挑戦することができたのは、国民の誰もが失敗の中にも未来への可能性を見いだし、研究者たちに温かい激励と関心を示したからだ。羅老号も同じで、現時点では成功が100パーセント保証されているわけでもない。人類最後の未開拓地である宇宙開発には失敗のリスクが非常に高い。このことを承知の上で、それを恐れることなく勇気とチャレンジ精神を発揮すること。これこそが宇宙大国を目指す最初の一歩になるだろう。(朝鮮日報)
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