5984 菅政権考・首相は生き残れるか  花岡信昭

参院選の大騒動が終わって、政治の世界は休戦状態に入ろうとしているかのようだ。
■不気味さ増す小沢氏
7月30日召集予定の臨時国会と民主党両院議員総会という波乱要因はあるのだが、どうやらいずれも中途半端なまましのげる見通しが出てきた。8月は鎮魂の月であって、事実上の政治休戦期間となるというのが政治の常だ。
波乱が起きるとすれば、参院議長を野党が取ろうとして連携するケースだ。自民党内にそうした動きがないわけではないのだが、そこまでやれるエネルギーがあるかどうか。
民主党の両院議員総会もガス抜き効果は出るだろうが、菅直人首相(63)が立ち往生するまでには至らないと見る向きが強い。参院選の敗北を許してやろうというのではなく、むしろ、本番は9月の党代表選にあるとする思惑による。
そこで、やはり今回のケースでも民主党の小沢一郎前幹事長(68)の存在が「不気味さ」を増している。鳩山由紀夫前首相(63)とともに同時辞任によって、党の窮地を救おうとしたのに、菅首相の不用意な「消費税発言」によって参院選は敗北を喫した。
ただでさえ、菅新体制発足が「脱小沢」で行われ、小沢氏にとってはコケにされた思いが強いのに、「オウンゴール」によって選挙に負けるとはいったいなにごとか…。
小沢氏にはそうした思いが強いのだという。だから、この人らしいところなのだが、「静かにしていろといわれたので」と、10日余り完全に潜ってしまった。
■政治生活の最終決戦
小沢氏の長い政治歴を振り返ると、浮き沈みの激しさに改めて驚かされる。要職を辞任して謹慎状態にあったかと思うと、いつの間にか不死鳥のごとくに復活し、以前よりも政治力を倍加させているというのが「小沢流」である。
今回の沈黙状態もそうした小沢氏らしいところなのだが、これまでと違うのは、68歳という年齢に健康問題を考えると、これが政治生活の最終決戦となる可能性があるのではないかということだ。
小沢氏は理念型の政治家とみられてきた時期もあったが、すさまじいまでの政局至上主義を貫こうとする。それが「剛腕」だの「壊し屋」だのといわれてきたゆえんである。
小沢氏にしてみれば、いくら立派な政治理念や政策を持っていたとしても、選挙で勝ってそれを実現できる政治権力を手中にしなければ政治にはならないという思いが強烈にあるのであろう。
だから、ほかの政治勢力との離合集散などは朝飯前で、必要とあれば「なんでもあり」の姿勢を見せる。それが「小沢批判」のポイントともなってきたのだが、そんなことは小沢氏は歯牙(しが)にもかけない。
■大連立への布石!?
そこで、党内外が注視しているのは、代表選で小沢氏自身が立とうとするのか、それとも「代理」を擁立して菅体制を吹き飛ばそうとするのか、といった点である。
さらには、福田康夫政権(2007年9月~08年9月)当時の「大連立」構想をいまだに捨て切ってはいないとする見方も根強い。
仮に菅首相に代わる小沢氏直系の後継者を誕生させたとしても、衆参ねじれの政治状況下では国会運営がうまくいくはずはない。果たして、公明党やみんなの党などとの連立でしのごうとするのかどうか。
参院選ではたしかに議席数では「民主大敗、自民大勝」となったが、得票数では選挙区も比例代表も民主党が自民党を大きく上回っている。そこに大連立の相手として、自民党が乗ってくる可能性が透けてみえる。
今後、衆院解散がなければ、ちょうど3年後に衆参のダブル選挙が行われる。それまでの3年間を大連立期間に充て、消費税や福祉関連施策、さらには集団的自衛権などまで含めて、戦後の主要課題に決着をつけようというのは、理にかなっている。
これを成し遂げることができれば、日本は活性化しよみがえる。今回の参院選で民主も自民も基本的に消費税増税で一致したのは、大連立への重要な布石といえるかもしれない。
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コメント

  1. すみこ より:

    小沢さんも民主党の中には、相談するのに値する人はいないので大変ですね。
    だって周りと言えば、見た目は年だけは充分取っていて一見「大人」でも
    学生運動の活動家がそのまま年取っただけ。
    組合で赤旗振って「給料上げろ」一本槍で実務の経験なし。
    口先だけの評論屋・市民運動屋上がりで実社会での問題解決経験なし。
    要するに小沢さんから見たら、全て「無能力者」なのでしょう。
    小沢さんは外国人地方参政権付与や人権擁護法を票に代えようとするとなど、理念無き選挙屋であることは、師匠の田中角栄とそっくりで危なっかしいのですが、師匠は経済についてはそれなりの見識(欲望)はありましたから、小沢さんも経済はどうにかしたいと思っているかも知れませんね。
    そう考えたら相談できる相手は自民党の長老クラス、中曽根さん、森さん、小泉さん、麻生さん等々に相談するしかないですよね。福田さんも忘れてはいけないですね。

  2. 通りすがり より:

    菅政権は、すでにレームダック政権です。支持率も下がり続けており、次期代表選では、とても勝ち目はないでしょう。
    一方、小沢氏も、世間の目がこれだけ厳しい状況では、とても出馬できません。
    従って、彼ら以外の(反小沢系の)第三者が代表選に出馬し、勝つことになるでしょう。
    次の民主党の代表が決定して、初めて自民党との大連立についての模索が始まることになるでしょうが、しかし、党の綱領もないような政党では、消費税増税・憲法改正(集団的自衛権)について、民主党内の意見がまとまる筈もなく、連立協議は、きっと失敗するでしょうね。

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