11920 黒田氏発言を受け株・債券が続伸  古澤襄

<[東京 4日 ロイター]東京市場では、2%の物価目標達成に向けてやれることは何でもやるとの決意を示した黒田東彦・日銀総裁候補の発言を受け、日経平均が一時約4年半ぶりに1万1700円台を回復したほか、国債先物中心限月が史上最高値を更新した。
一方、為替市場は、黒田・日銀総裁候補の発言は「安全運転」と受け止めたほか、上海総合指数.SSECの急落に目を奪われ、リスクオフから円が買い戻された。
<株価は一時4年半ぶり高値>
前場の東京株式市場で日経平均は3日続伸。取引時間中としては2008年9月29日以来、約4年半ぶりに1万1700円台を回復した。前週末の米国株高や為替の落ち着きなど外部環境は良好で、幅広い銘柄に買いが先行。大胆な金融緩和への期待から不動産、倉庫、銀行などの内需系銘柄の上昇が目立った。
政府が次期日銀総裁候補に指名した黒田東彦・アジア開発銀行(ADB)総裁が4日午前の衆院議院運営委員会で所信表明を行い、「2%の物価目標を一日も早く達成するのが総裁の使命。達成に向けやれることは何でもやる」と発言。市場は金融緩和への前向きな姿勢を好感し、上げ幅は一時前日比160円を超えた。
だが、為替市場での円安進展が一過性だったほか、「想定内の内容にとどまっており、若干の材料出尽くし感がある」(国内証券)との見方も広がり、前引けにかけて利益確定売りに押され、伸び悩む展開となった。
大証でシステム障害が発生し、日経平均先物、日経平均オプションなどのデリバティブ、商品が取引時間中に売買停止となったことも相場に水を差す形となった。
<国債先物中心限月が史上最高値>
国債先物3月限は145円29銭まで上昇し、中心限月で史上最高値を更新した。前週末に海外市場で国債が買われた流れを引き継いで買いが先行したほか、黒田・日銀総裁候補が所信聴取で国債のより長期のものを大量に買うことが自然だと述べ、大胆な金融緩和への期待が高まったことも買いを促した。
SMBC日興証券の債券ストラテジスト、岩下真理氏は、2%の物価目標の達成について黒田氏が「2年が良いと思うが、できるだけ早期に」とし、「必ず2年」としなかった点がやや気になった、と指摘する。
また黒田氏は、デフレ脱却に向けてあらゆる手段をとるとし、緩和手段として「一番自然な金融緩和は国債購入拡大」、「国債のより長期のものを大量に買うのが自然」と発言した。こうした発言からは、リスク性資産をすぐに買うよりは、基金による国債買い入れ年限の長期化の方が先なのではないかという印象を受けた、と岩下氏は話している。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の債券ストラテジスト、稲留克俊氏は「市場の関心が高かった超過準備の付利撤廃について発言がなかった。唯一、より長期の国債を買い入れるのが自然の流れと発言し、債券が買われた場面があった」と指摘した。
<円はリスクオフで買い戻し>
午前の為替市場では、衆院の議院運営委員会で黒田・日銀総裁候補の所信聴取が始まると、ドル/円は93.73円まで上昇したが、市場参加者の事前の期待が高過ぎたことで、その後は断続的な売りに押され、93円前半に下落した。
さらに、中国市場で上海総合指数が2.8%を超える急落となり、リスクオフから円買い圧力がかかった。中国株下落のきっかけは、中国政府が新たな住宅価格抑制策を発表したこと。
黒田氏の発言について、野村証券金融市場調査部のチーフ為替ストラテジスト、池田雄之輔氏は「デフレ克服に向けてやれることは何でもやるというメッセージは、国際派らしく、予想される海外勢の反応を十分に心得たもの」とした上で、「今後は参院で民主のサポートを得なければならないこともあり、量的緩和を強化する方針を明確に表したものの、その具体策についてはあまり言及していない。
そのため全体としてやや安全運転のニュアンスが出ていて、為替市場の反応もいまひとつだ」と述べた。(ロイター)>
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