1019 下馬評になかった伊吹幹事長 古沢襄

福田人事は最初から躓きをみせている。党三役人事で伊吹文明幹事長、谷垣禎一政調会長、古賀誠総務会長、二階俊博選挙対策総局長を内定したが、古賀氏が受けず、二階総務局長(留任)・古賀選挙対策総局長と入れ替えになった。
福田擁立の流れを作った古賀氏にしてみれば、幹事長を期待していたのであろう。だが蓋をあけてみれば、下馬評にもなかった伊吹氏の幹事長起用となった。内心では憤懣やるかたないものがあったのでないか。
だが福田総裁にしてみれば反安倍だった古賀幹事長・谷垣政調会長では、あまりにも党内バランスを欠くおそれがある。さらには露骨な論功行賞人事という批判も受けよう。安倍内閣の文部科学相だった伊吹氏の幹事長起用は、その点を配慮した人事ではないか。
一方、古賀氏にしてみれば、郵政造反組で復党した議員が公認で不利益な扱いを受けるのは阻止したいと考えてきた。総務会長ではなく、選挙実務をとり仕切る選挙対策総局長を強く希望したのは、それなりの理由がある。しかし、その一方で小泉チルドレンからは猛反発を受ける可能性がある。
福田人事でもうひとつ見逃せない点がある。福田総裁が一番信頼しているのは細田博之氏。党内で選挙区情勢にもっとも精通している人物なので、細田氏の選挙対策総局長を予想していた。伊吹幹事長の下で幹事長代理となるのは、選挙対策を念頭に置いた人事であろう。一部のマスコミが細田氏を官房長官候補に挙げていたが、それは最初からない。町村外相の官房長官は動かないとみていた。
問題は外相の後任人事であろう。対北朝鮮政策で微妙なズレがある麻生氏の外相帰り咲きはないのではないか。あるとすれば副総理ではないか。もっとも閣僚人事は福田氏の胸のうちにある。伊吹幹事長のようなマスコミが予想しない人事が飛び出すかもしれない。

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