与野党攻防は、ついに時間切れとなって、ガソリンの値段が4月1日から1リットル25円下がる。諸物価高騰のおり、結構なことなのであろう。これを歓迎する国民が多いのであれば、それはそれでなにもいうことはないのかもしれない。
だが、1カ月後にまた元に戻るのだ。民主党は戻せるわけがないとしているが、憲法の規定だと、戻してもなんら違法でもなんでもない。参院送付後、60日間で結論が出なかった法案は衆院で3分の2の賛成で再議決できる。
ガソリンの暫定税率問題を政局攻防の最大の柱にしなければならなかったところに、民主党の追い込まれた姿がにじみ出る。世間には相当の誤解があるようだが、この政局は民主党が追い込んでいるのではない。
福田政権が危機的状況にあるのはたしかだが、もっと危機的なのはむしろ民主党の小沢体制なのだ。30数年、政治の世界をウオッチしてきた目からすると、そう映る。
小沢体制が窮地に追い込まれているからこそ、日銀総裁人事にせよ、暫定税率問題にせよ、民主党は強硬路線一本槍でいかなくてはならなかった。政治は調整の世界であり、これを成し遂げてこそ政権担当能力があるといえるのだが、民主党はそういう「大人の姿」を示し得なかった。
やや乱暴なシナリオになるが、自民党側にしてみれば、福田首相がギブアップすれば、総裁選をやればいいだけの話である。麻生太郎、与謝野馨、小池百合子各氏らの名前が早くも取りざたされている。
民主党は解散に追い込むと意気込んでいるが、自民党が衆院与党3分の2の勢力を簡単に手離すわけがない。
小沢氏は解散総選挙の時期を「5-6月」とも「年内」とも予想しているようだ。この「ガソリン政局」が解散に直結しないことを暗に認めたと裏読みすることも可能だ。
前述のような顔ぶれで総裁選をやったら、世間の関心は自民党に集中する。自民党にはこういう奥の手が残されている。
それにしても、「ガソリンの値段」が政治の最大テーマとなるというのは、いったいどう受け止めればいいのか。
株安、円高の経済情勢は先行き不透明だし、世界経済そのものが揺らいでいる。チベット自治区の人権弾圧に日本はなんら発言できなかった。韓国、ロシア、台湾で政権交代が行われ、そしてアメリカの大統領選挙が大詰めを迎えているというのに、日本の政治は「国家戦略を語る」という次元から遠く離れている。
杜父魚ブログの全記事・索引リスト(3月30日現在1723本)
1715 なんともはやの「ガソリン政局」 花岡信昭
未分類
コメント