1954 ルーツを求めて20年(4) 古沢襄

この数年、ルーツ探しの私の記事を読んでくれる人が増えている。ルーツを探る作業は、実は根気のいる泥臭い仕事になるから、よほど歴史などの書物好きの人でないと続かない。泥臭いついでに私のやり方をご披露しておく。
太田亮氏の「姓氏家系大辞典」三巻は読む癖をつけておいた方がいい。図書館にあると思うが、本格的にルーツ探しをするつもりなら、神田か早稲田の古書店で求めるべきだろう。系図はあまり頼りにならないが、墓に刻まれた家紋は風雪に洗われても残る。沼田頼輔氏の「日本紋章学」は貴重本になったので、古書店でもすぐには手に入らないかもしれない。家紋についての新刊本がかなり出ているが、本格的に調べるなら「日本紋章学」をおいて他にはない。
丹羽基二氏の「日本苗字辞典」は入門書として最適ではないか。姓の持つ重要さと家紋の知識を広げることを教えてくれる。丹羽氏は日本全国の墓めぐりをしている。「姓氏・家紋は歴史の鏡である」という。
市町村の教育委員会には一度は顔を出した方がいい。きっかけは簡単。どの市町村も市史、町史、村史を発刊している。少し高い買い物になるが、それを求める。ついでに知りたいことを尋ねると、どの教育委員会にも地方史に詳しい人がいるものである。そうでなければ詳しい人を紹介してくれる。
「下妻市史」上中下三巻が発刊されたのは十五年前。それで早速、市史を買いに出掛けた。ついでに下妻市古沢の歴史を教えて貰った。私の名刺をみて「古沢氏について調べたいのなら川向こうの八千代町に行けば収穫がありますよ」と親切に言ってくれた。
姓の発祥は地名だと思って下妻市古沢を調べたいと考えていたのだが、教育委員会氏は八千代町に行けという。実は、これが正解だった。郷に入ったら郷に従うものである。結局は「八千代町史」三冊も買うことになってしまったが・・・。
市町村史には必ず「資料編」がついている。図書館でもなかなか読めない貴重な資料が収録されている。秋田県の「能代市史」は十数巻に及ぶ大部なものだが、資料編が充実している。
常総の太守だった佐竹氏や下妻城で勢威を振るった多賀谷氏の資料は、茨城県で探すよりも「能代市史」の資料編に多く出ている。
各地には古文書を読む同好会がある。時間があれば同好会で古文書の解読を覚えた方がいい。できれば古文書はデジカメで撮影してパソコンに保存しておく。私のパソコンには墓の紋章が撮影保存されているが、すでに一千枚を越えた。
そして最後になるが、自分で調べたことは、間違いや不十分な点があってもブログなどで公開することである。誰かが必ず読んでいて、間違いや不十分な点があれば指摘してくれる。それによって新しい発見ができる。新しい人の輪も構築できる。(つづく)
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コメント

  1. きせき より:

    はじめまして
    家紋を研究している者です
    この度、出版致しました『家紋の事典』という拙書では、わずかではありますが沼田博士の説を書き換える新説を立てさせて頂きました。
    紙幅の関係上『日本紋章学』には及ぶべくもありませんが、もし機会がありましたらご拝読賜れば幸いです。

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